令和4年 台風15号による大雨被害を受けて | いま私たちにできること(後編)

DATE : 2022.12.18
浸水被害の対応
目次
令和4年9月23日から24日にかけて、本州を通過した台風15号は静岡県や愛知県に記録的な大雨をもたらしました。これによる被害が激甚災害に指定されました。被害に遭われました皆様には心よりお見舞い申し上げます。 大雨被害の中心が弊社の事業エリアでもあったことから、弊社も災害対応に日夜奔走している状況が今も続いている。今回は、災害現場の現状と、その対応について実際に現場対応を行っている静岡店の責任者 山本店長、法人営業 河野さん、住宅アドバイザー 橋本さんに話を伺った。前編・後編の2回に分けてお届けする。

令和4年台風15号による大雨被害を受けて(前編)
この記事のPOINT
  • 報道されていない実状 詐欺被害から地域住民を守りたい
  • お客様に安心を届けたい メンテナンスをすれば住宅は維持できる
  • 地域に育てられて今がある 地域の皆様への恩返しを
  • 企業だからできること BCPの重要性 他エリアとの協力体制
この記事に登場する人
山本直也
メンテナンス事業部 静岡店
店長
お客様・ビルダー様に真摯に向き合い、より良いサービス提供に余念のない静岡店の責任者。(12月16日からはSC課の課長へ異動)
橋本智之
メンテナンス事業部 静岡店
住宅アドバイザー 主任
床下環境改善・耐震・リフォーム、住宅メンテナンスのことならお任せあれ。知識経験豊富な頼れるベテラン社員。
河野武彦
メンテナンス事業部 静岡店
法人課
法人営業として静岡エリアのビルダー様をサポート。フットワーク軽く地域の皆様のために奔走中。

アイジーコンサルティングの浸水被害対応

今回の台風による浸水被害は静岡市葵区・駿河区・清水区・藤枝市・焼津市と広範囲で被害が及んでいる。特に清水区に関しては高い所で2Mほどの浸水が発生。その為床上浸水被害が非常に多い地域であった。この地域は弊社静岡店の営業エリアである。
被害に遭われた建物が10,000棟以上と非常に多くの水害が発生したことで、水害発生からおよそ一か月が経過した後も、床下における浸水被害に遭われた方から弊社へたくさんのお問い合わせをいただいた。まずは水が引き家の中の片付けが一段落ついて一定レベルの生活再建ができてから、ようやく床下に手をかけられるという方々も多いのだろう。
また、床上浸水が多いという事で大半が保険絡みの工事となっている。そのため、保険会社への確認から工事着工と準備期間が長くなり、床下工事は年末若しくは年明け対応となることも。 また、アイジーコンサルティングでは、災害時の復興支援・地域貢献活動の一環として、保険適用の有無に関わらず無償で床下の殺菌消毒を実施。またシロアリ防除保証中のお客様には・シロアリ防除工事 保証期間中のお客様には無償で再施工を行っている。
被害状況については、下記にて紹介しています。

令和4年台風15号による浸水被害の床下状況レポート(EVITAGEN)

現場の状況 お客様・ビルダー様の声

地域の皆様に「安心」を届けたい
取材班

実際に浸水被害現場の対応をされていたかと思います。その時の様子はいかがでしたか。また対応の際に心がけていたことは、ございますか。

橋本

とにかく「安心」してもらえるようにということです。お客様は、大切なお家・床下が水に浸かってしまったという事実にショックを受けていらっしゃいます。特に築年数が浅い方は尚更です。お伺いした時に、外壁にゴミが木についていたり、カビが発生していたり、泥が溜まっていることもあったのですが、「これくらいだったら何とかなるので大丈夫」と明るく伝えていました。私の表情が暗いとお客様も不安になります。事実、しっかりメンテナンスすれば、住宅をちゃんと維持できますので。
また、弊社では保証中のお客様であれば、浸水被害での保険適用外の場合でも、無償で床下の殺菌消毒・シロアリの再施工を実施していることも伝えました。被害に遭われたお客様は「今後」に不安を持っている方が多いので、この企業としての取り組みにより、お客様に安心をご提供できた点は良かったです。

「これでやっと終わった」「やっと安心できる」床下の処理・対応が終わると、お客様から多く聞かれる言葉です。床下だけでも直すことで、不安を払拭する、気持ちに一旦区切りをつけてもらう、前を向いてもらうきっかけに繋がっているんですよね。「安心を提供する」ことに使命感を持って対応しています。

お客様の問い合わせに真摯に対応中。
水の引いた後の床下の状況 泥が溜まっている(※お客様の許可をいただいて撮影)
河野

今回の無償での殺菌消毒・シロアリの再施工という形での災害支援は、ビルダー様も非常に喜んでくださいました。「IGと提携していて良かった」と仰ってくださるビルダー様も多くいらっしゃいました。お客様の中には、保険適用外なので、床下の処理はあきらめて放置しようとしていた方もいらっしゃったようで、「無償で対応してくれるの?」と非常に喜ばれています。今回の浸水被害対応を通して、今までお取引の無かったビルダー様からご相談いただき、新たな提携・ご縁にも繋がっています。

また、先ほども触れましたが、災害に乗じた悪徳業者被害の防止のための声掛けも積極的に行っています。地域の皆様が詐欺被害に遭わないように、お取引のあるビルダー様にも注意喚起をさせていただいております。現場の対応はすぐにできなくても、まずは地域で被害を出さないようにしていく。ここには使命感をもって取り組んでいます。

山本

まずはお客様に安心していただくことが一番ですよね。
被災され、「これからどうしていこうというか」と不安を感じているお施主様が非常に多い中で、言葉のかけ方1つが重要になります。感謝されたくて対応をしている訳ではありませんが、対応した結果としてお客様に感謝されることは、やはりメンバーにとっては、大きなやりがい・使命感に繋がっています。

今回、静岡店のメンバーはこの浸水被害の対応に関して、やらされ感ではなく、一人一人が皆が自ら考えて行動してくれました。積極的にお客様にお電話をしたり、点検・工事に伺ったりと、店として一体感が生まれました。今回の浸水被害対応を通し、社員一人一人が一回りたくましく、成長したように思います。
弊社は今年で創業123年を迎えますが、地域の皆様に育てられ、ここまで成長してきました。このような災害時こそ、地域の皆様に少しでも恩返しができればと思って活動しています。そのためには企業として存続し続けることが大前提で、健全な社会活動をしていかなければなりません。地域貢献と事業活動の両立ができること、それが弊社の強みだと感じています。

企業だからできること BCPの重要性

地域の皆様・ビルダー様とのつながりを大切に 地域復興に尽力する
取材班

地域の皆様のために、静岡の復興のために今なにができるのか。静岡店の皆様は、アイジーコンサルティングの一員として、社を代表して浸水被害の対応に使命感を持って取り組んでくださっているのが伝わります。そして今も対応は続いていますよね。

橋本

9月から行ってきた浸水被害対応ですが、まだまだ続きます。点検依頼は大方落ち着いてきましたが、これから施工に入ります。床上浸水の場合は保険適応になるので、年をまたいで工事になってきます。保険会社・ビルダー様からの連絡を待ってとなると、年内に終えることが難しい状況です。

山本

今回の浸水被害対応で、ビルダー様との繋がりを感じ、信頼関係が深まったと感じています。
水害後の問い合わせ・対応件数は150~200件近くにのぼります。
このような災害時にこそ、地域の皆様・ビルダー様との連携が必要です。常日頃から地道な働きかけが重要だと感じています。

また、今回は、静岡で水害が発生しましたが、このような災害はいつどの地域で発生するか分かりません。災害が発生した際に、どう向き合って対応をしていくか。社員皆が同じベクトルでいないと災害対応はできません。我関せずではいけないのです。今回の静岡での経験を活かして、他の地域へも波及していきたいと思います。

橋本

私は水害対応を会社としてさせてもらえることが、ありがたいと思いました。他のシロアリ防除会社様の中には、床下浸水したお宅は保証失効になり、有償対応が当たり前とのこと。私自身、地元が被害に遭い、知人宅の点検に行くことも多々あり、余計に災害を身近に感じ、自分事捉えていました。その中で無償で対応できること、この会社の体制があることは非常に誇らしく、IGの社員でよかったと感じました。

河野

私もビルダー様・お客様、そして地域の皆様のために災害支援ができる環境にあること、被害に乗じて商売をするのではなく地域復興に力を注げる環境にあることを、その企業姿勢を誇らしく思います。

企業として災害と向き合う 他のエリアの協力があり、静岡エリアの復興に注力できる、その環境に感謝して
山本

今回、静岡店として水害対応に注力できたのは、弊社の他の地域の協力があってこそです。企業としてチームとして、災害が発生した静岡エリアを他エリアでカバーする、その気持ちを持ち皆が協力してくれ、非常にありがたかったです。そのカバー体制があったからこそ、静岡店は水害対応に専念・注力できました。これは企業だからできることです。

営業エリア内で災害が発生したら、他のエリアで応援する、カバーする。もっと大規模な災害が発生したら、その際はどうするのか。BCP、体制構築の必要性を実感しました。
また災害時は何より社員1人1人が考えて行動できること、これも大切です。

今回のような災害対応が出来ることは当たり前ではありません。「for LONG」健全な事業活動があってこその地域貢献です。まだ水害対応は続きます。地域の皆様に感謝し、静岡地域が一刻も早く復興するよう、尽力していきます。

この記事のまとめ

静岡県内で台風15号による水害が発生してから3か月近く経過した今も、現地では復興の真っ只中である。弊社は創業123年を迎えるが、地域の皆様に育てられ、ここまで成長してきた。このような災害時こそ、地域の皆様に少しでも恩返しをしたい。創業の原点に立ち返り、社会課題を解決すべく地域貢献を。「for LONG」ずっとで価値ある未来を創っていく。静岡の一日も早い復興のために、地域のビルダー様・皆様一丸となって復興に向けて進んでいく。そのために いまできることをアイジーコンサルティングでは行っていく。

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