自分をさらけ出した先に見える安心感とは?ライフラインチャートが叶える「心理的安全性」について
- ライフラインチャートは、人生を通して価値観を知る
- 自分の人生を振り返る機会は、意外と多くない
- 人生を知ることで尊敬に繋がる
- ライフラインチャートは、公式な武勇伝語りの場!?
建築事業部 アイジースタイルハウス浜松・豊橋
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ライフラインチャートとは?
取材班 ライフラインチャートとはどういうものか教えていただけますか?
森さん ライフラインチャートとは、自分の人生を遡って起きた出来事や体験を書き出し、人生の浮き沈みをチャートで示したものです。その人の人生を知ることで、どういう価値観を持った人なのかを知る、というものなんです。
以前は自己紹介をする時にリーダーズインテグレーション(その人の知っていること・知らないこと・知っておいて欲しいことなどを書き出す手法)を用いていましたが、佐原さんが参加したhint勉強会でライフラインチャートのことを知りまして。それでちょっとやってみようか、ということになりました。
取材班 人生史を知ることで価値観を知る、ということなんですね。これをミーティングに取り入れたのはどんな目的があったのでしょうか?
森さん 元々、中途社員のこの3名の皆さんの自己紹介を兼ねて始めてみたものなんです。その人がこれまでどういう人生を歩んできて、その時にどんな価値観や思いを持っていたのか、ということを知ると、相手に対する理解は深まり、仕事に必要な関係性の質が高まるだろうと。短時間で色々知れますしね。ちょうどhint勉強会の内容を店舗ミーティングで全6回に分けて実施していて、関係性の質を高めることについてはみんなの共通見解も得られていたので、良いタイミングでした。
特にこの3名のライフラインチャートは非常に濃くて、想像以上に盛り上がりました・・・!
有馬さん ありがたいことに盛り上がっていただきました。5分で話してって言われましたが、5分じゃ全然終わらなかったです(笑)
森さん 3名の発表を聞きながら、メンバーからの質問も全然止まらなくて(笑)もうあとは直接聞いてください、といった状態でした。
それぐらい盛り上がったので、3名だけでなく全員分やってみることにしたんです。比較的仲の良いチームだと思いますが、過去の人生や、学生時代のこと、前務めていた職種など、意外と知らないんです。人生を知ることでその人の価値観や思いに触れる機会になりました。
自分のバックグランドを振り返ってみて
取材班 ライフラインチャートの発表を始めて、メンバー間のやりとりなどで変化はありましたでしょうか?
森さん まず中途社員の3名が発表をして、距離が縮まったと感じています。発表がきっかけでメンバー間の話が弾んでいる様子も見られます。
取材班 それでは実際に発表した3名の方にインタビューしていきます。まずは彦坂さん、ご自身のバックグランドを振り返ってみてどう感じましたか?
彦坂さん 正直言うと、最初は振り返りたくなかったです(笑)
ただ、過去の仕事のことなども書いていくと「こんな風にやって考えながら仕事をしていたんだな」っていう振り返りができて、改めて何を目標に仕事をしていたのかもう一回思い出せた気がしています。やって良かったですね。
取材班 古田さんはいかがでしたか?
古田さん 恥ずかしいこともいっぱいありましたし、発表する時はちょっと緊張してたんですけど、発表後は「やってよかった」と思いました。仕事をしていると、その場のその人しか見えないと思うんですけど、相手の過去を知ることでその後の会話の中でちょっとした瞬間に浮かんだりすると思うんですよ。だから過去知るっていうのは、友達みたいに少し踏み込んで相手を知ることに繋がり、結構大事なんだなと。やらなかったら気付けなかったですね。
取材班 スラスラ書けましたか?
古田さん いや、スラスラ書くのは無理でしたね・・・昔のことって断片的にしか覚えてないじゃないですか。最初はちょっと書きづらかったんですけど、やり始めると「こういうことあったんだな」とか「こう思ってたんだな」っていうのは少しずつ出てきました。自分がこれから発表する立場だったら「やりたくないなあ」とモヤモヤしていたと思いますが、やった後だから前向きに言えます(笑)
取材班 有馬さんはご自身の人生を振り返ってみていかがでしたか?
有馬さん 仕事に対しての価値観がどういうところで形成されたのかを、改めて振り返るいい時間だったかなと思います。
私生活の内容がボリューミーでして、エンタメに走りつつ書いてしまったので、もうちょっと仕事に関わる自分の価値観のところに話をつなげられれば良かったかな、という反省点はあります(笑)ただ、これがきっかけで親しんでもらえていると思います。特に僕は工務で事務所にほぼ居ないので、皆さんとコミュニケーションを取る時間が圧倒的に少ないんです。こういう機会を通して「有馬さんってなんか変な人だな、面白い人だな」って思っていただいて、ちょっとでも声かけてもらえたりとか親しみを持ってもらえているかなっていう感触はあります。
取材班 自分をフランクに見せることで、同じようにフランクに話しかけてもらえるようになったということですね!
有馬さん そうですね。あとはその人の趣味にも触れられるので、共通の趣味を見つけた方に関しては自分から話しかけに行きやすくなりました。それこそ僕は昭和の世代なので、喫煙所で仲良くなるおじさんたちが多かったんですけど、それが事務所の中で、喫煙者じゃない方でも、ちょっと会話をする時のコミュニケーションの幅が広がったと思います。
有馬さん hint勉強会で習った通り『心理的安全性』という、自分をオープンにしても大丈夫だって思える相手になれる感覚です。何も知らない人にいきなり趣味の漫画の話をするのと、それ好きですよって言ってる人にその話をするのって全然違うと思うんですよね。相手を知ったことで安心して会話が出来る関係性になれる機会だなと感じました。
発表後の関係性の変化
取材班 古田さんは2023年1月に入社して、わずか半年でこの発表を行いましたが、発表後の変化はありましたか?
古田さん 先ほどお伝えしたように距離がちょっと近づいたっていうのが一番大きいと思うんですけど、自分のことをさらけ出して、自分をちょっと知ってもらったって安心感が増えました。これからも皆さんの発表を聞けるのが楽しみです。
あとは有馬さんが言ったみたいに、近い趣味をお持ちの方を知れるので、単純に話しかけやすくなりました。話してみないと分からないことって沢山あるんだな、とも気付けました。特に僕は中途入社で、みんなも僕のことをよく知らないし、僕もみんなの事をよく知らない。知らない人ばかりの状態で、飛びこませてもらったっていう感覚があります。
取材班 話してみないと分からない、ということも知れたんですね!彦坂さんは、入社して1年経過していますが、発表後メンバーとの関わり方に変化はありましたか?
彦坂さん 元々、入社2ヶ月後くらいで「もうずっと前から居る人みたいだね」って言われるくらい、フレンドリーに接していただいていましたけれども、発表したことで更に自分に興味を持ってくれる人も増えましたし、内容に対して更に色んな話もできるようになりましたしね。入社1年経っていてメンバーとはコミュニケーションも取れている方ですが、中にはまだフランクに話すことできなかった人もいたので、これをきっかけに話すこともできて良かったです。特に有馬さんや古田さんの場合は工務で、休みの曜日も違うし、一緒に居る時間が少ない側のメンバーと、自分のようにほぼいる事務所にいるメンバーとでは、得られるものも違うかもしれないです。
あとは自分もそれなりに山あり谷ありの人生を過ごしていきましたが、他の人のライフラインチャートを見るともっと凄い人も居て・・・改めて尊敬する部分もありました。家以外で一番居る時間が長いのは仕事場だと思うので、その中で同じ時間を過ごすのに、同じ価値観がある人を見つけられるっていうのも、やっぱりライフラインチャートの良いところことかなと思います。
取材班 いくら一緒に居る時間が長いと言えど、2人で食事に行ったりだとか、深く話す時間が無いと人生について深く切り込んだことは聞けないことですもんね・・・
森さん そうなんですよ。ちょうどライフラインチャートをやる前に彦坂さんと二人で食事に行ったんですよね。お酒も入って色々話してたんですけど、それでもここまでの話出てこない。自分のことを喋って良いんだと思える機会があることの重要性を感じました。
有馬さん 中途入社で、いい年齢っていうのもあるから言いますけど、武勇伝おじさんになりたくないんですよね(笑)例えば、僕は過去1ヶ月ぐらい放浪していた時期があったんですけど、そんなこと急に語り出したらみんな引いてしまうんじゃないかと思いますし。
取材班 公式の場で、武勇伝も含めた自伝を語れる機会だということですね!皆さん様々なお仕事に就いていらしたと思いますが、今まで過去の人生のことを聞かれる機会はありましたか?
古田さん 友達と喋る程度のことはありましたけど、ここまで公式の場でさらけ出すことは無かったですね。
彦坂さん 今まで何社もいましたけど、無かったです。ライフラインチャートに限らず、こんなにも色んな会話が飛び交っている職場って、そう多くはないと思うんです。ひたすら仕事に集中する、仕事だけする、という職場の方が多いんじゃないでしょうか?
有馬さん 僕の経験上は全く持ってないですね。転職先に入社する度に軽い自己紹介みたいなものは何度かやっていましたが「有馬です。前はこんな仕事してました。」程度でした。だからこそ振り返って発表する場は楽しかったです!
取材班 こういう場を楽しめるのって、アイジーらしさの一つだと思います!
森さん そういう風土ではありますね。でも先ほど話にもあがったhint勉強会を経験したことも大きかったと思います。浜松・豊橋スタジオのメンバーは元々言いたいことを言い合える環境ではありましたが、hint勉強会を通して「自分のことをオープンにしていこう」という流れができていたので、スムーズに取り組み始められました。引き続きメンバー全員の共有会を行い、価値観を知り・知ってもらい、安心してコミュニケーションが取れる関係性を築いていきたいと思います!
自分をさらけ出すことで「知ってもらっている」という安心感に繋がるが、過去の人生を語る機会はそう多くない。特に自分語りが「武勇伝」に聞こえてしまうこともあり、その塩梅は非常に難しいところだ。それを公式の場で共有する機会を通して、他者の価値観に触れ、一気に距離が縮まり、ひいては相手へのリスペクトに繋がる。仕事上の上辺の理解ではなく、深いところまで知り合える関係性こそが「質の高い関係性」と言えるだろう。まだまだ続く共有会を通して、強固なチームとなっていくであろうアイジースタイルハウスの今後に期待したい。