現場クリーン2.0 -日本一綺麗な現場を目指してー
- 現場クリーン2.0とは?今までと何が違う?
- 現場監督では出せなかった意外なアイデアについて
- 現場が綺麗だとパートスタッフさんが嬉しい。その理由とは?
アイジースタイルハウス
副店長
アイジースタイルハウス
施工管理
現場クリーンの目的
取材班 店取り組みをまとめる森さん・現場クリーンのリーダー芥川さん、それぞれの目線で、この現場クリーンの目的についてのお考えを教えてください。
森 一番の目的は、現場美化を通してお客様に品質の高い住まいを届けることです。そのためには職人さん達に頑張ってもらわなきゃいけないことが多いのですが、僕たちが上から目線で「現場を綺麗にしてください」と言っても、職人さんからしたら気持ちよく頑張れないですよね。だから社員も現場に行って、一緒に清掃をしながら現場の状況を正しく認識した上で、改善に結びつけていく。それを職人さんと一緒に実行する。この流れが大事だと思っています。
あとは職人さんに「品質の高い住まいを提供しよう・そのために現場を綺麗にしよう」という熱意を伝えることも目的です。
持ち回り制で月2件の現場へ行くのですが、職種関係なく、事務スタッフも含む全員が参加メンバーです。清掃するだけでなく、初めてお会いする職人さんには名刺も渡して、僕たちが主体的に清掃をしている様子を知ってもらいます。
取材班 事務スタッフさんも含む全員で実施しているとのことですが、建築現場・技術面に詳しくない社員たちが参加することは、お客様の目線で現場を見る事にも繋がりそうですね。
芥川 そうですね。僕たち現場監督の目線で現場に行くと、現場の進捗や状況を考えてしまい、アウトプットのレベルが低くなってしまうという自責があります。「本当はこうした方が良いけど難しいよなあ…」という遠慮が生まれてしまうけど、あまり現場に行けない社員から挙がる改善案は遠慮が無いんですよね。妥協なく現場品質を上げていけるので、店全員で取り組む意義はここにあるのかなと思っています。
取材班 遠慮のない指摘改善こそが、品質向上の一歩なんですね!現場監督も一緒に現場クリーンへ同行しているのですか?
芥川 いいえ、現場監督は行かないようにしています。現場監督が現場クリーンに行くと、職人さんから現場の進行に関する質疑を受ける時間が長くなり、掃除に集中できないことがあるんです。だから現場クリーンで実際に清掃を行うのは、現場監督以外の社員に留めています。普段現場に行かない社員が清掃を行うことで、「アイジー全体で取り組んでいるんだ!」と職人さんに認知してもらいやすくなる、といった効果もあります。
森 要するに、お客様・職人さん・社員それぞれに向けた現場クリーンの目的があるんです。お客様へは、現場美化に努めることで良い品質の住まいを届けたい。職人さんには僕たちと一緒に現場を綺麗にしてもらいたい。社員には、現場美化に対して主体的に取り組んでもらいたい。
この目的は昔からずっと変わらないですが、いまいち浸透しなかった時期があり、現場クリーンのやり方そのものを見直しました。
志新たに、現場クリーン2.0始動
取材班 客観的に見ても、アイジースタイルハウスの現場は非常に綺麗で、現場美化の意識が高いのだと感じていましたが、うまくいっていない時期があったのでしょうか?
森 ありました。数年前までは店全体で「仮設トイレピカピカ大作戦」取り組みを行い、現場も綺麗になりました。しかしその後は徐々に現場監督任せとなっていき、現場が荒れていきました。これは現場監督が悪いのではなく、現場美化に対する店メンバーの主体性が失われたことが良くなかったと捉えています。職種に関係なく、自分たちの届けている住まいに責任を持ち、自分事化しなければと感じました。そんな経験を経て、もう一度全員で現場美化に取り組み始めたのがちょうど1年半前です。
取材班 だから社員全員で清掃を行っているのですね!具体的にどのように内容をバージョンアップされたのでしょうか?
芥川 まずは清掃に行く日時について変えました。それまで現場クリーンに行く日はみんなバラバラで、日時は決めるものの実行はチーム任せにしていました。そうすると他の予定が入ってリスケになったり、先延ばしにすると予定が合わなくて実行されなかったり…といったことがありました。
そこでひと月に行くのは2チームだけにして、月初の金曜日に開催する『店ミーティング』の前に実施することとしました。店ミーティングは午前中なので、その前に他の予定が入ることも少なく、現場クリーンへ行きやすくなりました。現場クリーンから帰ってきたらそのまま店ミーティングで共有し、改善案を話し合うというルーティンが生まれました。
報告会へ参加!
取材班 ここで話し合った内容は、その後どういうルートを辿って現場改善に繋げていくのでしょうか?
芥川 報告会で挙がった「要改善ポイント」の内容を精査して、現場監督で話し合い、実現可能かどうかを判断します。可能なものはすぐに現場へ反映させています。
森 毎月地道に改善をした内容について、3ヶ月ごとに振り返りをおこないます。実行した結果、現場がどのくらい綺麗になったのかという点について、現場監督から成果報告をしてもらいます。この3ヶ月ごとの振り返りは以前までやれていなかったので、現場クリーン2.0として今年から新たに始めることにしました。
1年半の変化と、今後の目標
取材班 現場クリーン2.0を始めて1年半経過し、現場美化の度合いや、職人さん・社員に変化はありましたでしょうか?
芥川 現場はどんどん綺麗になっている実感がありますね。
現場クリーンで出た改善案により、大きく変化した点がありまして…玄関土間の部分に人工芝(緑の芝シート)を敷いていて、その上に職人さんたちの靴を置いてもらっているのですが、その靴が揃えられていない時が何度かありました。職人さんも作業に没頭すると忘れてしまうんですよね。そこで、靴を綺麗に並べて置いてもらうためにどうすれば良いか話し合った結果、人工芝の上にシールを貼って靴を置く枠を設置したんです。
芥川 シールを貼っただけなのに、皆さんがその枠の中にちゃんと靴を収めてくれるようになりました!この改善案は店ミーティングの話し合いの中で生まれたものでして、僕たち現場監督の視点ではなかなか出てこなかったです。
あとは職人さんにも「この前アイジーさんが現場クリーンに来て、色々話をしたよ」と言われることも増えてきました。社員と職人さんのコミュニケーションが増えたことや、社員も主体的に現場美化へ取り組んでいる様子が伝わったことで、職人さんからの不満も減ってきています。
森 現場は本当に綺麗になってきました。報告会に参加してくれているパートスタッフさんも「すごく綺麗になりましたね!」と喜んでくれています。この喜びは、自分たちが考えた改善案が具体的な成果に結びついていることから得られるものだと思うんです。特にパートスタッフさんたちはお客様の現場に行く機会も無く、自分たちの仕事がどうお客様の幸せに繋がっているのか見えにくいです。現場クリーンを通じて繋がりを感じてもらえることが、日々の業務のモチベーションアップや、前向きな改善に繋がると確信しています。
取材班 現場が綺麗になり、お客様に喜んでいただけるだけでなく、関わる社員・職人さん全ての方々が嬉しい気持ちになれる。この現場クリーンはまさに三方良しですね。最後に、今後の現場美化についての志をお聞かせください。
森 当初は「仮設トイレピカピカ大作戦」から始まり、この現場クリーンを続けてきましたが、今は「日本一綺麗な現場」を目指しています。綺麗な現場が品質の高い住まいを造り、お客様にも喜んでいただける。この方向性を見失わず、今後も職人さん・社員が一体となって現場美化に取り組んでいきます。
現場美化が住まいの品質アップに繋がり、お客様に喜んでいただける。これは安易に想像できるが、現場クリーンの活動そのものが職人・社員のエンゲージメントを高めることにも繋がっていたということが、新たな気付きであった。更に高い目標を掲げ、一度決めた運用ルールも変えて始動した現場クリーン2.0。それにより現場がどう変化していくのか、今後も定期的に追っていく。