浜松発クラフトビールのプロジェクト「HOP to BEER」に参画! ビールを通じた地域活性化に地元企業らが意欲

DATE : 2025.03.14
目次
「浜松でクラフトビールをつくろう」――そんな取り組みに、アイジースタイルハウスが参画しました。「HOP to BEER」の企画・運営は、浜松にある高架下スペース「新川モール」を活用するなど、街の活性化に取り組む株式会社HACK。今回は、同社の代表である髙林健太さんを招いてインタビューを実施! 昨年が初めての試みとなった「HOP to BEER」の振り返りと今後の展望を伺いました。
この記事のPOINT
  • クラフトビールづくりから生まれる、新しい地域コミュニティ
  • 「ビール」が「ビール好き」を呼び、人の輪が広がっていく
  • 人との出会いがもたらす、社会貢献と自己の成長
この記事に登場する人
髙林健太
1984年浜松市生まれ。ATLAS.LLC代表、ニューコモン商会共同主宰
千葉大学大学院工学研究科修了後、森ビル㈱に入社し、新規開発プロジェクトの都市計画、事業計画、六本木ヒルズのタウンマネジメントに携わる。2017年にUターンし、丸八不動産㈱を経て2021年独立。「まち歩きが楽しいまちへ」をコンセプトに、浜松を拠点としたまちづくりプロジェクトの企画実践を行う。
佐原康隆
株式会社アイジーコンサルティング ライフプラン事業部 アイジースタイルハウス浜松・豊橋マネージャー
お酒はさほど飲まないが、浜松の町おこしに興味があり、当プロジェクトに参画。ホップの苗の手入れも担った。
高木春佳
株式会社アイジーコンサルティング ライフプラン事業部 建築企画課サブマネージャー
ビール好きで「将来ビールをつくりたい」という夢を叶えるべく、プロジェクトメンバーとして参加。

建築以外の側面でも街を盛り上げたい

取材班

浜松発のクラフトビール「HOP to BEER」は、昨年から始まったプロジェクトだと聞いています。まずは髙林さん、プロジェクトの概要を教えてください。

髙林さん

その名の通り、ホップからビールをつくろうというプロジェクトです。私が代表を務める株式会社HACKが企画したもので、法人・個人に関係なく参加していただけます。まずは初年度とあり、僕たちの会社に近しい人に声を掛けさせていただき、9つの会社と個人では9人から申し込みがありました。ビールが好きの方、地域コミュニティに興味がある方、CSR活動をしている企業など、応募理由はさまざまです。

取材班

申し込みのあった企業と個人にホップの苗を分けて、実際に育ててもらったと聞いています。

髙林さん

はい、春先に植えて7・8月に育つイメージです。身近な野菜だと、ゴーヤに近いですね。みなさんに収穫してもらった実は、最終的に浜松市内にあるブルワリーにお願いして、クラフトビールにしてもらいました。

取材班

ご説明、ありがとうございます! でも、アイジースタイルハウスは、どうしてこのプロジェクトに参画したのでしょうか。

佐原さん

弊社とお付き合いのある材木店の方がプロジェクトに参加していて、「アイジーさんもどう?」と声を掛けていただいたのがきっかけです。地元の活性化には兼ねてから興味がありましたし、「JAPAN WOOD PROJECT」のような建築の側面とは違った視点から街を盛り上げられるのなら、ぜひ、協力させていただきたいなと思ったんです。あとは、弊社の高木さんがビールが大好きで(笑)。

高木さん

はい、ビール大好きな高木です(笑)。昨年4月に開かれたキックオフミーティングにも参加して、ホップの育て方などを教えてもらいました。その時に、実際にホップの苗も分けてもらったのが印象深いです。

髙林さん

みなさん、ビール好きという共通点があったので、初対面でも盛り上がっていましたね。

ホップの苗を植えた際の様子
高木もお世話係の一人として携わりました!

初めてのホップ栽培に四苦八苦

取材班

ホップを育てるのは、難しいのでしょうか。

髙林さん

ホップって、冷涼なところで育ちやすいんです。日本では、北海道や岩手が主な産地になっていて。なので、暑い浜松でホップが無事に育つのかは心配でもありました。ほかにも、ツルが6メートルほど伸びるので、育成環境をどう整えるかなどの懸念もあり……。結果的には、みなさんが愛情を持って育ててくれたので、無事に収穫までこぎ着けることができました。長野にある農家で10株ほど育ててもらったのも含めて、4キログラム強の収穫になりました。

取材班

4キログラム強のホップで、どれくらいの量のビールがつくれるのでしょうか。

髙林さん

300リットルのタンクでビールをつくったのですが、それに必要なホップの量は4キログラム強ではとても足りないとのことで、ペレットホップという加工済みのホップを足してつくりました。フレッシュホップだけで300リットルのビールをつくるのは、狂気の沙汰だそうです。

取材班

そうなんですね……! アイジースタイルハウスでは、誰がホップを育てたんですか?

佐原さん

植物やお酒が好きな人が多いこともあり、みんなが協力してくれました。肥料を与え、水やりをして。ツルが伸びるためのヒモを、オフィスの屋上まで準備するのが大変でした。あとは、真夏の熱波が……。お盆休み中の法人は苦労したんじゃないですか?

髙林さん

そうなんです。水やりをしないと、一気に枯れてしまうので。

高木さん

佐原さん、お盆休み中にも出社して水やりしていましたもんね。ありがとうございました。今年は自動散水できる環境を整えられるといいな、なんて思っています。

佐原さん

そんなこともあり、弊社の分のホップは育つのが遅くなってしまい、お渡しする予定だった期間には間に合わなかったんです。それでも、小さく実ってくれたホップを目にした時は、感慨深い気持ちになりました。よくぞ、育ってくれたと。

小さくとも愛情たっぷりのホップの実です!
収穫してほくほく顔の佐原たち!
クラフトビールの試飲で感動
取材班

ホップの収穫を経てクラフトビールが醸造され、昨年11月にはお披露目会があったそうですね。

髙林さん

「アーバンファーミングデイ」というイベントに合わせて、お披露目しました。新川モールで育てているキノコを収穫して、その場で調理して食べたり、都市型農業を始めるにはどうすればいいかという講演会もありました。ビールのお味はいかがでしたか?

アーバンファーミングデイに参加した佐原さん・高木さん
佐原さん

自分は特別お酒が好きというわけじゃないんですけど、おいしかったです。

高木さん

めちゃくちゃおいしかったですよ。正式な商品名は「YARAMA IPA」と言うんですけど、そのアイピーエーというのがホップの香りが強いビールの種類で。とってもフルーティーな香りがしました。

取材班

「ヤラマ〜」という名前には、どんな意味があるのでしょうか。

髙林さん

クラフトビールは「〜アイピーエー」という名前が多くて、名づけは自由なんです。そこで、浜松の方言である「やらまいか」(=やってみようか、の意)と掛けてみました。完成したビールは、参加してくださった法人・個人のみなさんにおすそ分けさせていただきました。昨年は一般販売するほどの量をつくれなかったのですが、今年は一般販売できるくらいのタンクでつくってみたいと考えています。

佐原さん

今年の2月には、いただいたビールをオーナーさまに振る舞う機会がありました。そのなかには、浜松で収穫した芋でポテトチップスをつくっている経営者の方もいたのですが「自分も(今年のビールづくりに)参加します」と仰っていて、新たな広がりを感じられる場となりました。

高木が、ラベルにペンで書き書き……!
自分の思いを書き込むことで、「YARAMA IPA」のラベルは完成するというユニークな仕組みになっているのです!
ビールを通じて、街をもっと好きになってほしい
取材班

髙林さんは「HOP to BEER」というプロジェクトを通じて、どんな未来を形づくっていきたいですか?

髙林さん

ビールというツールを用いて、「浜松でおもしろいことをしているな」と多くの人が集まるきっかけをまずはつくりたいです。HACKは、まちづくりの会社ですので、そこから新しい地域コミュニティを生み出していければ。地域社会に参加する糸口になれれば、うれしいです。そうして、街に住む人々の人生がより豊かになっていく、お手伝いをできれば幸いです。

取材班

とっても、すてきです! アイジースタイルハウスとしては、HACKとどのような化学反応を起こしていきたいですか?

佐原さん

大前提として、仕事というのは「人の役に立つこと」だと思っていて。なので、地域社会を活性化できるのであれば、今年以降も喜んで参画させていただきたいなと考えています。社会的に価値あることをすればするほど、社員のエンゲージも上がっていきますし、いろいろな人との出会いは自身の成長につながります。いいことづくしのプロジェクトなんですよ。

取材班

人の輪が広がっていくと、いいですよね。

佐原さん

そうなんです。アイジースタイルハウスは「衣食住」の「住」の部分に重きを置いていますが、「住」から派生した豊かな暮らしのなかに「YARAMA IPA」があるのは、とてもおもしろいなと思っていて。アイジースタイルハウスを媒介して、オーナーさまにも「HOP to BEER」の輪が広まっていけば理想的です。

高木さん

オーナーさまと一緒にホップを収穫して、街を賑わせるビールをつくっているんだと体感していただければ、なおのこと、うれしいですよね。そして、浜松のことをもっと好きになってもらえれば、私たちが参画している意味もより深まっていくのだと思います。

オーナーさまに「YARAMA IPA」を振る舞った際の記念写真。みなさん酔っているのか楽しそう!
この記事のまとめ

材木店の方の何気ない一言から始まった、「HOP to BEER」への参画。そして、オーナーさまへの新たな広がり。人と人がつながっていく瞬間を感じたのが、取材での印象深い出来事でした。

このプロジェクトに参画している人の共通点は、「新しいことをおもしろがる人」であり、「街を愛している人」。クラフトビールが、そんな人たちの呼び水となっているのでしょう。そして、この記事を読んでいるあなたも、きっと、その一員です。「やらまいか」と気軽に輪の中に入ってみては、いかがでしょうか。

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