『エモレポ』で育む施主コミュニケーション -ANDPAD ONE CONFERENCE登壇レポートー

DATE : 2022.11.17
目次
2022年10月20日に行われた、『ANDPAD ONE CONFERENCE 2022』に、建築事業部アイジースタイルハウスの吉田さん・芥川さんが出演し、アイジースタイルハウスで行われている『エモレポ』の取り組みを全国のANDPADユーザーへ届けた。

今回の記事ではその登壇の様子と、吉田さん・芥川さん・モデレーターを務められた平賀さんのコメントを紹介する。
この記事のPOINT
  • 工事中の感動は、施主とのコミュニケーションで育む。
  • 施主報告はただの報告ツールではなく、コミュニケーションツールである。
  • 『エモ』を根幹に継続出来ていることが、自社の強みになっている。
この記事に登場する人
平賀豊麻さん
株式会社アンドパッド
社長室 コミュニティマネージャー兼ANDPAD ONE Director
2018年5月に株式会社アンドパッドへ入社。2021年6月、コミュニティメディア「ANDPAD ONE」への掲載で、アイジーコンサルティングの『エモレポ』の取り組みを取材頂いた。
吉田さん・芥川さんが登壇したANDPAD ONE CONFERENCEのモデレーターを務める。
吉田俊介さん
株式会社アイジーコンサルティング
工務部 施工管理課 課長
株式会社アイジーコンサルティングの工務課を束ねる責任者。ANDPADの活用から始まり、施主報告機能を『エモレポ』へ発展させた先駆者。
芥川建斗さん
株式会社アイジーコンサルティング
工務部 施工管理課
2013年4月新卒入社。現在は浜松エリアで年間約20棟の現場管理を行っている。実際に『エモレポ』を活用し、お施主様と積極的にコミュニケーションを取っている。

ANDPAD・ANDPAD ONE CONFERENCEについて

「ANDPAD」は現場の効率化から経営改善まで一元管理できる、クラウド型施工管理サービスシェアNo.1の施工管理アプリです。
電話・FAX・メールなど、アナログで煩雑な現場のコミュニケーションもチャットアプリで円滑化できます。更に、図面や工程表もクラウド上で確認できるため、いつでもどこでも最新のデータを取得する事が可能となります。

弊社アイジーコンサルティングは、建築事業部アイジースタイルハウスと、不動産事業部FULLHOUSEの2事業部においてこのANDPADを活用しています。

▼【シェアNo.1】施工管理アプリ| ANDPAD(アンドパッド)について
https://andpad.jp/

株式会社アンドパッドが主催した『ANDPAD ONE CONFERENCE 2022』とは、建築・建設各業界のリーディングプレイヤーによる、多彩な進化を遂げる建設DXの最先端を発信するオンラインCONFERENCEです。2022年は対象業種を5つの分野に分け、5日間の日程で開催されました。

▼ANDPAD ONE CONFERENCE 2022について
https://page.andpad.jp/conference2022

『エモレポ』とは?

「エモレポ」とは、エモーショナルレポート、直訳すると”感情を届けること”という意味を持ちます。

具体的には、ANDPADアプリの「施主報告」機能を介して、監督からお客様へ現場の進捗状況や今後の工程予定などをレポート形式で届けています。

▼ANDPAD ONEに掲載されている『エモレポ』の取り組みについて
https://one.andpad.jp/magazine/2440/

登壇レポート

カンファレンスにて吉田さん・芥川さんがお話した内容を、一部抜粋してご紹介します。
『エモレポ』を始めたきっかけは?
きっかけは、現場監督の若手リーダーがお施主様とのコミュニケーションに問題意識を持ったことから始まりました。

お引渡し後にいただけるアンケートには、各担当者への満足度を示す項目がありまして、営業・設計・コーディネーターに比べて、現場監督への満足度が低い傾向にありました。現場監督とお施主様の間におけるコミュニケーション量が少ない事で、潜在的にクレームリスクが高まる要因となっていました。
取り組みの狙い(登壇資料より)
お施主様にとって、契約や着工までが家づくりの感動のピークになっていて、工事着工以降はコミュニケーション量の低下と共に感動レベルが下がっていきます。しかしいざ現場が着工すると、お施主様が「欲しい」と思ったタイミングでコンタクトを取ることが難しいという問題もありました。

現場での家づくりの温度感・空気感をお施主様に少しでも上手く伝えつつ、監督とお施主様のコミュニケーション量を増やす目的で、エモレポの取り組みがスタートしました。
実際のエモレポの内容
ANDPADの施主報告機能を『エモレポ』に昇華させるに辺り、どのような工夫をされましたか?
『エモレポ』の一番の目的は”お施主様の満足度向上”ですので、「家造りの過程でお施主様にワクワクを感じてもらおう!感動を届けよう!」という思いを軸に工夫をしました。

通常の施主報告は、現場の写真と工事の進捗状況・今後の工程をただ報告するだけに留まりやすいと思います。しかし『エモレポ』は報告ではなく”コミュニケーション”であると考えていますので、絵文字も使いながらこちらの思いを伝えるよう意識しています。監督の感情を共有することで、お施主様との親密度が増しました。

実は当初、報告は週1回と決めてスタートしましたが、週1回では伝えたいことも伝えきれず、また期間が空くことでお客様がちょっとした不満をため込んでしまい、後戻りできない感情になってから伝えてくることがありました。

ただレポートの回数を増やせば良いという訳ではありませんが、接点の数を増やすことが感動体験の増加にも繋がり、結果的に満足度が上がると考え、週3回に増やしました。

造り手の顔が見える方が、安心感の醸成にも繋がるだろうと考え、職人さんの写真を載せる工夫も凝らしています。
週3回の報告を、どのようにして継続されていますか?
同時に何件もの工事が進行していますので、全ての現場において、欲しいタイミングで写真を撮ることはなかなか難しいです。それでも週3日のエモレポを確実に実施したいと考えていましたので、職人さんから写真付きの日報をアップしてもらうことにしました。

自分が現場に行った時に撮った写真と、職人さんから毎日上がってくる写真があって、はじめて週3日のエモレポ配信が実現できています。職人さんのサポート無しには行えません。
ANDPAD施主報告のプロダクトダッシュボード(登壇資料より)
報告をした後、お施主様からスタンプやコメントでリアクションを頂ける機能があるのですが、それらは全てダッシュボードで計測できるようになっています。

報告数の多い・少ない、お客様からの反応率の高い・低いなどが全て可視化されるので、メンバーのフォローにも入りやすいですし、どういう報告の内容がお客様満足度を高めることに繋がるのかも分かるようになりました。このような機能も用いながら『エモレポ』の取り組みを定着させていきました。
『エモレポ』開始から1年経ち、どのような変化がありましたか?
本来の目的であった顧客満足度の向上について、担当者ごとの評価に変化が表れました。

冒頭にも申し上げた通り、営業・設計・コーディネーターに比べて現場監督の評価は低かったのですが、『エモレポ』を開始後みるみる評価が高まっていきました。監督自身も、お施主様からのリアクションが楽しみになりました。また、継続したことで職人さんの報告頻度もあがりましたし、写真もまめにアップされるようになりました。

エモレポの内容やお施主様からのアンケート結果を職人さんにも共有し、モチベーション維持にも繋げています。
顧客満足度の変化(登壇資料より)
私たちアイジースタイルハウスは、お施主様と感動を共有しあえる家づくりを追求し、その一環として『エモレポ』を始めました。まだまだ発展途上だと思っていますので、よりお施主様の感動レベルを引き上げるために今後もブラッシュアップを重ねていきます。

登壇された3名のコメント

取材班

今回モデレーターを務められた平賀様に質問です。『エモレポ』の取り組みを伝えることで、ANDPADユーザー様へ何を訴求したいとお考えでしたか?

アンドパッド平賀様

まずは、ANDPADの利用を通じて監督の働きがいや、社員同士の信頼醸成に寄与したということです。ANDPAD施主報告と「エモレポ」の取り組みを通じ、デジタル化が利便性や効率性を超えて、従業員体験に染み出していくDXの成果は素晴らしいと感じます。

クレーム産業といわれる住宅業界において、監督や職人の仕事や仕事の景色がお客様に喜ばれるというのは福音にほかなりません。

現場に関わり、現場で働くすべての方々がお客さまの住まいづくりに日々真摯に取り組み、その姿やプロセスこそがお客様の不安を払拭し、さらに家づくりの体験をワクワクに変えていく。そうして、お客様が監督や職人の仕事ぶりからファンになっていく。

これはまさに当社のミッションである「幸せを築く人を、幸せに。」を象徴するようなお取り組みであり、現場に関わる方々へ本当に勇気を与えるチャレンジです。現場に関わる方々の「働く」を魅力的にお客様に映していくという世界観を、ANDPADを使って構築している貴社のお取り組みとしてお届けしたいと思いました。

取材班

まさに、地域中小工務店向けカンファレンスのテーマでもある「ITが生産性向上から競争力に」に繋がりますね。

アンドパッド平賀様

はい。お客様の家づくりに携わるアイジーワークスの方々の協力の上に「エモレポ」が成立していて、そのためにアイジーコンサルティングのみなさまが一丸となって取り組んでおられることが、競争優位性に繋がっていると感じます。

協力会社にANDPADをご活用いただくことに苦心されている方々、あるいは協力会社にご利用いただくことが難しいのではと感じている方々に、DXを進める上で必要となっていく協力会社様へのANDPAD利用促進、運用定着というところから、さらに協力会社様との関係をより良くするための努力をいとわない、貴社の姿勢を伝えたいと思いました。

取材班

非常に高い期待を持って選出いただいたこと、光栄です。カンファレンス開催後の反響などはいかがでしたか?

アンドパッド平賀様

視聴後にアンケートをお取りしたところ、貴社のコンテンツが最も印象に残ったというお客様からの声でステキなコメントがございましたので1つご紹介します。

「感情、情熱的に施主報告を行うことに関して特に造語をつくってまで意思統一をはかり、契約、着工後のお客様の熱量を下げない行動に関して見習いたいと思った」とのことでした。

取材班

大変嬉しい感想を共有いただき、ありがとうございます!

続いて、芥川さんに質問です。カンファレンスへの登壇、緊張されましたか?

芥川さん

意外と緊張しました!でも平賀さんの進行のおかげで、話すべき内容はしっかりと伝えられたかなと思います。

取材班

カンファレンスを視聴するANDPADユーザー様へ、どんな事を伝えたいとお考えでしたか?

芥川さん

私たちも施主報告を始めたばかりの頃は、いわゆる報告ツールとして活用していましたが、やり方を変えるだけでコミュニケーションツールになるのだということを伝えたかったです。

どのお住まいも工事の流れは一緒なので、いつどんな事を『エモレポ』で届けるのか、ある程度は型化されてきます。でもお施主様に感動してもらいたいと思うから毎回文章や写真を工夫していています。その結果、お施主様の工事に対する期待感が高まったり「アイジーで家を建てて良かったな」と思っていただけています。もちろん大変だと感じることはありますが、工事中のコミュニケーションが後々の満足度に繋がるのだということが伝わっていると嬉しいです。

取材班

なるほど、ただの報連相のツールではなく、コミュニケーションツールであることを知ってもらいたいということですね。

芥川さん

はい。あと私たち施工管理は、お客様にも工事を楽しんでもらいたいと思っています。それが『エモレポ』なら出来ると感じています。お引渡しが感動のピークになることを目指して、これからも『エモレポ』を継続していきます。

取材班

吉田さんはいかがでしたか?

吉田さん

以前、ANDPAD ONEで取材を受けた内容と被る部分もあったので、自分の中でも話すべき事は整理されていて緊張せずに出来たと思います。

どう考えても良い取り組みですし「施主報告は絶対にやった方が良い」と、誰しもが思うはずなんです。でもここまで『エモ』を追求してやり切る・やり続けることは決して簡単ではないと思っています。そういう意味では、私たちアイジーコンサルティングの存在が、これから施主報告を始めるANDPADユーザーにとって一つの指標となれれば嬉しいですね。

取材班

なるほど、施主報告のトップランナー的な意味合いも込めているのですね。

吉田さん

そうだね。でもただ単に手法を真似するだけじゃうまくいかないだろうし、継続も難しいはずなんです。私たちの場合は『エモ』『お客様と家づくりの感動体験を』という考えが根幹にあるから、ここまでやり切れています。

最近、アイジースタイルハウスの独自性や強みって何だろう?と考えた時に、社員全員が一丸となって愚直に『エモ』を追求できる事だと思ったんですね。誰も冷めていないんです。これからの住宅業界は、安全性や品質もどんどん統一化され、その会社の独自性が見えづらくなると思います。でも私たちにはずっと続けてきた『エモ』がある。これがお客様に選ばれる要因にもなっていくと思います。

この記事のまとめ

『エモレポ』とは、ANDPAD施主報告というツールをコミュニケーションツールへと昇華させ、お施主様・働く社員・職人全ての満足度を高める事に起因している取り組みであった。まずはこのような取り組みがあるという事、始めること以上に継続することが大事であるという点が、カンファレンスを視聴された方々に伝わっていればと感じる。

そして株式会社アンドパッドのミッションである「幸せを築く人を、幸せに。」は、職人の価値向上を目指す私たちにも共鳴している。これからもANDPADの活用を通じて、ともに”全方位良しの家づくり”が行われる業界を創っていきたい。

アイジースタイルハウスWEBサイト

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