株式会社NEXT STAGEの講演を通して、協力業者の未来を思う。

DATE : 2022.06.02
目次
建築事業アイジースタイルハウス・不動産事業FULL HOUSEの合同協力業者会「アイジーワークス」にて、毎月協力業者会を開催している。2月度に行われた業者会で、株式会社NEXT STAGEの小村社長にご講演いただいた。その講演内容と、NEXT STAGEを介した現場の品質向上の歩みを紹介していく。

アイジーワークスについて
https://www.e-igc.jp/team/
この記事に登場する人
吉田俊介
株式会社アイジーコンサルティング 工務課 課長
アイジーコンサルティング全体の工務課をまとめる。お客様・アイジー・協力業者含む全方位良しの家づくりが出来るよう、品質向上・監督育成・原価管理を担っている。
この記事のPOINT
  • 工事品質のムラを無くすためにNEXT STAGEの監査サービスを導入。
  • 協力業者会を通して、六方良しの家づくりに取り組んでいるアイジーの本気度が伝わった。
  • 品質のいい協力業者の給料が上がり、仕事が集まる文化を作りたい。

NEXT STAGEとは

現場ごとに起こる工事品質のムラを解消するために導入。
取材班

株式会社NEXT STAGEとアイジーの繋がりについて教えて下さい。

吉田

当社の新築工事に対して、現場監査を依頼しています。
工事の途中で行われる10回の監査サービスに加え、0回監査という設計図書の監査もスタートさせることになりました。0回監査に向け、設計図書の基準書づくりも行っています。

元々は、現場ごとに起こる工事品質のムラを解消するために導入しました。タイミング良くご紹介頂いたのきっかけに始まり、もう丸2年になりますね。

取材班

10回の監査というと、数も多く内容も細かいのではと感じます。協力業者からはどのような反応がありましたか?

吉田

「細かいことばかり言われる」という認識だと思います(笑)そこまで大きな反発は無かったですが、全ての検査項目を合格しようとすると高度な品質・技術が求められるので、合格ラインに追いつくために苦労している様子はうかがえます。

監査を始めるに辺り作った基準書というのは、一般的な法に基づく基準ではなく、会社独自で設ける基準なんです。アイジー以外にも複数の工務店・ハウスメーカーの工事を請け負っている協力業者からすると、他社でOKでもアイジーではNGになることもあると思います。そういう環境下の中で、よく頑張って付いてきてくれているな、という印象です。

取材班

工事の品質ムラは、協力業者の技術力に起因するのでしょうか?

吉田

技術ではなく「明確な基準」と監督からの「適格な指示」、あとは漏れの無い「設計図書」です。これらすべてが揃っていないと、現場ごとの品質ムラは発生します

アイジーの工事基準はこれだ!正しい設計図書はこれだ!と示せる詳細な基準書と、基準書通り工事が行われているかどうかをチェックする体制を、NEXT STAGEのサービスを通してつくっていきました。

おかげさまで、少しずつですが品質ムラは改善されています。あとは、新人監督が一人で現場監理をできるようになるまでの期間がグっと短くなりました。今までは、職人によって言われることが違っても言い返しずらかったと思いますが、今は基準書があるので「基準書通りにやって下さい」と、根拠を持って強く発信できるようになりました。

業者会で行った講演について

本気で協力業者・職人の人生を思っていることが伝わった。
取材班

NEXT STAGEの小村社長に講演を行って頂いたとの事ですが、どういった目的があったのでしょうか?

吉田

昨年末ぐらいから、協力業者会の在り方を見直そうという話になりました。

今までは現場美化の問題を指摘したり、こちらが定めたルールを発信する事が多い業者会でしたが、協力業者にとって学べる機会にしたいと考えました。その第一弾として、NEXT STAGEの小村社長に講演を依頼しました。

講演会の資料を一部抜粋
取材班

講演の内容を拝見しましたが、監査の重要性というよりは「職人としての生き方」を説いている内容でしたね!

新年の協力業者会で事業責任者の立田が発表した資料
吉田

そうですね。協力業者会の趣旨をお伝えした上で、講演会の内容自体は小村社長にお任せしたので、私自身も「こういう視点でお話をされるのか・・・!」と斬新でした。でも結果的に良かったですよ。

現在、アイジーの工務課は本気で「お客様・アイジー・協力業者・地域社会・環境・未来」の六方良しを実現しようと決意し、工事品質や協力業者との関わり方・資材仕入れなどの改善を進めています。でも協力業者にその思いがしっかり伝わっていなくて、協力業者からすると「指摘ばかりされる」「こちらに寄り添っていない」という反発もあったんです。伝えているようで、伝わっていなかったんですよね。

この講演を通して、本気で協力業者の人生を思っていることが伝わったので、少しずつですが反応も変わってきました。他社の協力業者会でこういった事を学ぶ機会も少ないと思うので、そういう意味でも満足度の高い講演であったと感じます。

※講演資料は社外秘のため、非公開とさせていただきます。

叶えたい、協力業者の未来について

心もお金も豊かな職人人生を歩んで欲しい。
取材班

アイジーとして捉えている、協力業者の未来像について教えて下さい。

吉田

あります。これはアイジーだけでなく、NEXT STAGEの小村社長も実現したいと仰っていたことなんですが、まずは職人の給料を上げたいんです。品質がいい職人に、高い日当の仕事が集まるようにしたい。これが、私たちの目指す協力業者の未来です。

そのためには、平等な評価が必要だと思うのです。品質を評価し、ただ評価するだけでなくそれが給料として返ってきて、いい仕事だけを任せてもらえるようになる。こういう文化が根付けば、質の悪い協力業者は淘汰されるし、品質の底上げにもなると思います。

今はまだ仕事が山ほどあって、質の悪い職人でも普通に仕事がもらえてしまうのですが、そんなのいつまで続くか分からないですよね。どんな世の中になっても、給料のいい仕事が定期的にまわってくる良い職人を増やしていきたいです。

取材班

なるほど。工事現場の品質向上だけではなく、職人の地位向上なのですね。

吉田

実は、そもそもNEXT STAGEを採用している会社自体少ないんです。全体で850社ほどだと聞きましたが、全国の工務店・ハウスメーカーの数と比較すると随分少ない。そんなサービスを採用して取り入れている会社は、品質に対して関心が高く、その中でも評価の高い職人は「選ばれた職人」ですよね。そういうプライドを持ってもらい、心もお金も豊かな職人人生を歩んで欲しいです。

取材班

質の良い職人だけが集まる強力な業者会が、アイジーの家づくりを担ってくれるというのは、最終的にお客様満足にも還元されますね。

吉田

そうですね。家って大きな買い物じゃないですか。それを現場作業だから・手作業だからという理由で、お客様毎に品質のバラつきが起きるなんてよくないと思うのです。
しかもこのご時世、遠隔でお打ち合わせをしてご契約されたり、現場見学をする機会も限られているので、そういう状況下において「品質の裏付け」があるというのは最低条件になってくるはずなんです。大きな買い物を任せる相手に、品質の基準が無いと不安じゃないですか。

やっと基準を定められた立場ではありますが、これが当たり前になっていって欲しい。そういう住宅業界であって欲しいと願います。

この記事のまとめ

品質向上はお客様満足度を高めるだけでなく、協力業者の未来を創ることに繋がるのだという実感を得た講演であった。誰かひとりが我慢する構造の家づくりに、明るい未来は無い。六方良しの家づくりを実現するために、まずは品質向上を通して、協力業者の地位向上を高めていきたい。

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