第2回 アイジーワークス 大工会が開催されました

DATE : 2022.06.24
目次
アイジースタイルハウスでは「現場品質日本一」の実現に向けて、現場で手仕事をする職人さんとのパートナーシップ強化に取り組んでいる。
特に大工さん・左官屋さん・水道屋さん・電気屋さんなど11業種については専門部会を設け、より具体的な現場の改善案を検討するための密なすり合わせに取り組んでいる。
今回は、2022年6月16日に開催された、大工さんの専門部会「アイジーワークス 大工会」の様子を取材した。
この記事のPOINT
  • 大工さんのみで行う「大工会」、その目的とは?
  • 文殊の知恵は勇気と愛ある一言から!率直な話し合いが改善の第一歩
  • 「忖度」が効率を下げていた!?話し合うことで見えてくる課題の本質とは?
この記事に登場する人
金原建築
アイジースタイルハウスの新築1棟目を施工した超ベテラン大工さん
西田建築
アイジースタイルハウスのお家を一番多く建てている背の高い大工さん
伊藤建築
親子で穏やか・にこやか大工さん。そして工夫改善の鬼!
みのる建築
情熱あふれるムキムキ大工さん
白井建築
難しい仕事大好き!頭脳派大工さん
高田興業
強くて優しくて繊細な職人の鏡!
芥川健斗
上棟大好き!イベント大好き!みんな大好き!感動監督

会社も、社員も、お客様も、職人の皆さんも。全員の生活向上を目指した地道な「話し合い」を。

17:50。現場での仕事に区切りをつけた大工さんと、アイジースタイルハウスの社員が続々と集まってきました。
大工さんが6名。アイジースタイルハウスも6名。
アイジースタイルハウスからは、
工務責任者の吉田さん
監理主任の西浦さん
設計主任の山本さん
浜松・豊橋マネージャーの佐原さん
事業部責任者の立田さん
そして会を運営するのは工務・芥川さん。
スピーディーに改善に取り組むことを目的に、その場である程度の意思決定ができるメンバーが揃いました。

予定どおり、18:00にディスカッションがスタートしました。
冒頭、工務責任者の吉田から、改めて「大工会」を行う目的について話がありました。
iG吉田

3月に引き続き、2回目の開催。この間に水道屋さん・電気屋さんの専門部会を行ったので、そこで出た意見も踏まえて、今日もしっかり話合いをしていきたい。

専門部会を開催するようになって、私自身、気付いたことがたくさんある。
工程や仕様・発注金額に関して、他社の工務店・ビルダーさんと比較してアイジースタイルの課題が何か、皆さんのお話しを聞いて分かったことが多かった。
最終的には、皆様自身が、アイジースタイルハウスの家づくりに対して、誇りをもって仕事ができる状態にしたい。皆さんの家族や仕事仲間など周囲の人に、「俺はアイジーの仕事をしているんだ」と自信を持って話ができるようにしたい。
仕事をする意義として、建物へのこだわりやお客様への思いなど、心の部分はもちろん大事。それと両輪で、お金の面でもきちんとした収入を得られるようにすることも大事だとつくづく感じている。
アイジーワークスに参加することで、皆さん自身の学びが得られること。アイジーと関わることで、皆さん自身の競争優位になるような有益な情報が得られること。結果としてお金の面にもつながる改善改革に取り組み、最終的にみなさん自身の生活向上につなげていく。

そのプロセスは地道な話し合いをしていくこと。すぐに解決できることばかりではないが、ちょっとした配慮不足が、相互の手間を増やすことになっている。小さなことでもひとつずつクリアしていく。そのためにも、今日もしっかり話し合いをしていきたい。

前回の課題の振り返りと、解決策に関する「話し合い」

続いて芥川さん進行のもと、メイン議案である「前回の課題の振り返り」が共有されました。
3月の大工会で出た意見や改善案について、その場で意思決定ができなかったもの・他の業者さんとの調整が必要なものについて、進捗共有が行われました。
中には、より踏み込んだ議論が行われ、別の角度から改善案が出るものもありました。
その一部をご紹介します。
屋外の養生資材について
iG西浦

前回、外部の養生資材を人工芝からマットへの切り替えを進めることになったので、人工芝の在庫を使い切り次第、各現場へマットを配布していきます。

大工さん

マット養生をテスト運用してみたところ、あまり美観は改善されないことが分かった。
部分的にマットを敷くよりも、全体的に人工芝で養生したほうが見た目もいいし、掃除もしやすい。
人工芝は掃除がしにくいという意見もあったが、人工芝のうえから掃除機をかけるとキレイになる。
マットだと汚れがついた時に水洗いしないと落ちないこともあって手間がかかるし、乾かないうちに使って建物を汚してしまうかもしれない。人工芝のままにしてはどうか?

こうした意見交換の結果、外部養生は人工芝を継続して使うことになりました。
実際にやってみることと、その結果得られた新たな気付きを率直に共有することで、皆が納得する解決策になっていく様子を感じ取りました。
図面の改善
iG山本

前回いただいた展開図の改善案をうけて、このように修正していきます(画面を皆で確認)

大工さん

展開図はそれでよいですが、次は平面図の改善もしてほしい。
ぱっと見て、部材や寸法がすぐに分かる図面にしてほしい。今の図面は分かりにくくて…

iG芥川

○○様邸の図面ですよね。皆さんで見てみましょう。(画面に現状の図面を投影)

その場で資料を確認しながら話し合いは進む
どの現場で課題があったのか、実際のデータを確認
大工さん

線がありすぎてなんだか分からないし、ここは数字と線が被ってしまっていて数字が読み取れないんです(投影された図面を指さして現状を共有)

大工さん

電気配線図と木工事の図面を分ければ、もっとスッキリするのでは?

iG山本

電気配線図と分けてしまっても問題ないですか?

大工さん

電気配線図と木工事の図面を、両方見ながら作業すれば大丈夫です。

iG山本

一緒にした方がいいかなと思って、電気配線図と木工事図を統合していました。
別々のほうがよいということであれば、分けましょう!
その他にも、要らない情報が載っていて複雑化している図面はありますか?
現場で必要・重要な情報に絞ってつくるようにしたいので教えてほしいです!

「よかれと思ってやっていたことが逆効果になってしまう」というのは、どんな仕事でも発生しがちです。それが会社を越えたり、担当業務を越えたりしていると、逆効果になっていることを言い出しづらく、結果最終工程に負担がかかってしまいがち。
今回のように、当事者と関係者が一堂に会し、実際の資料をその場で見て議論することで、前向きで建設的な改善策を話合えることがよく分かりました。
現場への材料納品の回数を減らしたい
iG吉田

材料費の値上がりに対するコスト削減策として、現場への材料納品の回数を減らしたいと考えています。実行するための意見をいただきたいです。

大工さん

資材の納品内容を大工が把握できていないために、届いてから不足に気付いて追加発注になっている。これが効率を下げているのでは?

大工さん

上棟直後の工程に必要な資材が不足していることもある。上棟から次の工程にスムーズに進むために、数量の見直しをして欲しい。

大工さん

ケイカル板の納品タイミングが早くて、納品されても一旦どかす作業が発生している。これも現場の効率を下げている。もうちょっと遅らせて欲しい。

大工さん

資材納品のタイミングや数量の見直しについて以前要望したことがあったが、改善されなかったことがある。今回はちゃんと改善してほしい。

iG吉田

ご意見、ありがとうございます。
納品内容を、事前に大工さんと共有するには…

iG芥川

建材店さんの納品予定書があるので、それをANDPAD(クラウド型施工管理アプリ)にアップすれば、大工さんにも共有できると思います。

iG西浦

納品予定書を見ていただいたうえで、納品内容やタイミングの変更要望を大工さんからご連絡いただき、建材店さんに変更をかけるようにフローを組めますね。

iG吉田

それでいけそうですか?

大工さん

それならできると思います。

iG吉田

では、納品予定書を事前に大工さんにも共有して、内容とタイミングを調整していきましょう!

話し合いの結果、無理なコスト削減をするのではなく、大工さんにとっても建材店さんにとっても効率が上がる方法で調整ができそうという見通しが立ちました。コスト削減と、現場の作業効率向上で、一石二鳥の改善策になりそうです。
床ガラリの設置方法
iG吉田

前回、床ガラリの設置方法が大工さんごとにバラバラで、現場合わせで材料を加工しているということを聞いた。共通の寸法を決めて、プレカットに反映させることで材料加工手間を軽減したいのだが、設置時の壁からの寸法はいくつが最適ですか?
尺5寸で455mm?それとも、1尺で303mmまで詰めてしまってもよい?

大工さん

みんなどうやって納めている?

大工さん

床板を切るにしても、真ん中をくりぬくより、端を切り欠いた方がいいよね。

このあと、それぞれの大工さんがどうやって施工しているか共有され、ホワイトボード上で施工図を再現しながら、最適化された寸法の計算が行われました。
結果、「227.5mmでいこう!」ということになりました。
この改善提案については1時間以上にわたる話し合いが行われ、合計で32項目の改善案について話し合われ、うち実行に進んだものが25項目、継続中が7項目という結果になりました。

継続的な改善のために、現場の気づきを全員で共有するための「話し合い」も

続いて芥川さん進行のもと、「新たな要望」の確認が進められました。
大工さんから、事前にメモされていた要望事項26項目について共有があり、アイジー社員が詳細を確認しながら聞き取る形で進められました。内容としては、アイジーへの改善案のほか、他の工事業種との調整が必要な改善案もありました。
これらについては、3か月後の大工会までに、アイジーを中心に調整が進められることになりました。
こうして熱のこもった話し合いが進められ、気付けばもう20:00を回っていました。
会の締めとして、営業責任者の佐原から、次のメッセージが共有されました。
iG佐原

今回、改めて大工さんの話を聞いて感じたのは、私たち工務店は営業して設計まではできるけれど、現場で形にすることについては何もできないことを再認識した。

今まで、要望や意見を交換する機会を設けなかったことが、どれほど良くなかったのか分かった。こんなことも改善できていなかったのか、もっと早く改善できたのでは、と反省した。それほど、現場の改善点がよく見えた話し合いだった。

この改善を少しでも早く実現できれば、必ずお客様への価値に繋がる。
一日でも早く、日本一の現場をつくっていけるように、社を上げて取り組む。
私自身も課題にしっかり向き合って現場改善に取り組んでいく。

この記事のまとめ

こうして、第2回アイジーワークス 大工会は終了した。
どれほどDXやIT化が進んでも、木造住宅は「現場」で、職人さんの手仕事によって作られるものであることに変わりはない。そして、多種多様な関係者の仕事によって創り上げられていくものである。
これから、アイジースタイルハウスの現場が、そしてアイジーワークスの皆さんが、どのような進化を遂げていくのか、その過程を引き続き取材していく。

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