シロアリの基礎研究を通じて可能性を広げていく ~老舗としてのプライドと新たな防除方法の開発へ~

DATE : 2022.08.04
シロアリ飼育
目次
アイジーコンサルティングでは、創業の明治から社会インフラ保全のためにシロアリ防除方法を研究し、この国の防除方法の礎を築いてきた。現在もシロアリ防除業界のリーディングカンパニーとして、シロアリの生態の基礎研究、新たな防除方法や防除薬剤の研究開発、またはシロアリの昆虫食としての可能性を模索するなど、薬剤メーカーや各種研究機関とともに社会課題解決に向けあらたな可能性を追い求めている。今回は、現在進めているシロアリ生態の基礎研究の取り組みについて 担当役員の高橋取締役にお話を伺った。
この記事のPOINT
  • 教科書だけには頼らない。シロアリの生態を正しく理解しよう。
  • 生態を正しく理解したうえで、最低限の環境負荷の中での防除方法を考える。
  • シロアリ防除の老舗としてのプライドとは、新たな可能性を追い求め、業界を全体を牽引すること。
この記事に登場する人
高橋 健二
株式会社アイジーコンサルティング
取締役
入社以来、アフターサービス(施工技術)一筋。アフターサービス課(旧施工技術課)の課長として現場を統括したのち、2019年より取締役に就任。(一社)中部地区しろあり対策協会の理事も務めている。


シロアリ生態の基礎研究

シロアリ飼育を始めようと思ったきっかけとは
取材班

社内でシロアリの生態研究のために、飼育をされているそうですが、そのきっかけは何ですか?

高橋

現在、社内でR&D(共同研究)プロジェクトを立ち上げ、様々なシロアリの研究・可能性を模索しています。その中で「シロアリのタンパク質は高タンパクで栄養価が高く、とても理にかなった昆虫食である」という話題が持ち上がりました。また実際に社員がシロアリを研究をしている大学の教授とお会いする機会があったのですが、話を伺う中で自分たちがシロアリに関して狭い視野でしか考えていなかったことに気づいたのです。

私たちの感覚だと、しろありから住まいを守る、「予防・駆除」という発想しかありませんでした。かたや大学等の研究機関では、昆虫食・宇宙食としての可能性など、もっと違う角度での研究が進んでいて。ビジネスに直結するかは別として、もっと広い角度でシロアリに対しての知識を持っておく必要があるなと感じたのです。

私たちはシロアリの何を知っているのだろうかと。現場にいるシロアリを駆除することはあっても、シロアリの生態を本当に理解しているのか。そこで、まずはシロアリの生態を知るために自分たちでも飼育をすることにしました。

シロアリ防除のプロとして正しい知識を身に着ける

教科書で学んだ知識が通用しない!?実物から学ぶ大切さ
取材班

シロアリの生態研究の目的とはどのようなところにありますか?

高橋

1つ目はシロアリの生態を正しく理解することです。
シロアリを飼育することは、容易ではありません。自然界に存在し、家屋に被害をもたらすと、正しく防除をしないと生き続けることもあるのですが、限られた飼育器の中でいざ飼おうとすると、適切な湿度管理等、環境を整えないと死んでしまうこともあります。
シロアリは一般的に湿気を好むと言われていますが、飼育器の中では湿気が多すぎるとカビが発生し、死んでしまうこともありました。
そうなってくると、果たして本当にシロアリは湿気を好むのか?学問上での知識は本当に正しいのか?そういった検証もしながら本当の生態を自分たちの目で確かめ、正しく理解したうえで、最低限の環境負荷の中での防除方法を確立していく。それがシロアリ業界の老舗であるアイジーコンサルティングの役割だと私は思っています。

シロアリ飼育器。湿度管理が重要。
イエシロアリの女王
育てているシロアリを観察
取材班

まず相手(シロアリ)を知ること。そこから最適な防除方法を追い求めていくのですね。

高橋

はい、シロアリは奥が深い生き物なんです。いろいろな大学で研究されていたり、何百年も前から中国でも研究されています。またシロアリ防除に対しての薬剤の研究も各地で実施されています。ただ、相手は虫です。まだ誰も気づいていない、いろいろな生態・特色があるのではないかとも思うのです。もしかしたら薬を使わなくてもコントロールできる可能性もあるのでは。そうなれば環境への負荷もなくなりますし、お客様への負荷もなくなります。
シロアリ防除のビジネスとして考えるとダメなのかもしれませんが、余計な薬剤を撒かなくてもシロアリ被害から住宅を守れるのであれば、それが最適です。

もう1つは社員教育です。
当社の社員は、入社したらシロアリに関する知識を勉強します。
シロアリの生態・種類の見分け方など、写真や動画をもとに学ぶのですが、現状、机上での学習が中心となっています。シロアリは写真だと種類の判別がつきやすいのですが、肉眼で見ると意外と分かりにくいのです。しかし私たちはプロですので実際の現場でシロアリのが判断できなければなりません。
特にシロアリの中でも生息エリアが限られているイエシロアリやアメリカカンザイシロアリであったり若手・入社間もない社員は、実物に触れる機会がどうしても少ないです。シロアリの現物を見ながらの実践的な勉強会ができるように教育に活かしたいと考えています。

シロアリ業界の老舗として 可能性を追及していく

シロアリの基礎研究は1つの手段。シロアリ業界のパイオニアとして目指すこと
取材班

今後の展望をお聞かせください

高橋

私たちは、シロアリ業界では老舗と言われています。また当社は(公社)しろあり対策協会にも加盟し、理事としても活動しています。私たちの取り組みは、業界でも注目いただくこともあり、私たちが間違ったことをすると、他のシロアリ防除業者様にも影響を与えてしまう恐れもあります。老舗として業界を牽引していく責任を持ちながら仕事をしていかなければなりません。

たとえばシロアリの薬剤効果に関しても、実際に現場で使用してみて、防除効果がどれだけあるのか、検証をしていきたいと考えています。薬剤メーカーでも研究はされていますが、あくまでも限られた実験環境の中でのデータです。実際の現場での効果検証結果・情報を、薬剤メーカーにフィードバックすることで、より効果の高い薬剤の改良に繋がるといいですよね。

また近年、住宅の建築工法も様々です。その建築工法に合わせたシロアリ防除・駆除方法が求められています。効果的な施工方法の追及は業界の先駆者として行っていきたいです。また、効果的な正しい施工技術方法があれば、その情報を公開し、業界全体の技術力向上に貢献したいですね。当社の技術の流出を恐れるのではなく、シロアリ業界全体としてよくしていくこと、それが老舗としてのプライドですし、私たちがやっていくべきことだと思うのです。
古くからシロアリ防除事業に従事していることが老舗なのではなく、常に新たな可能性を追及していくことこそが老舗だと考えます。
今後もシロアリ防除の老舗として、施工技術の向上に励んでいきます。

この記事のまとめ

シロアリの生態の基礎研究は、正しく生態を理解し、よりよい防除方法を確立するための一歩である。シロアリ防除の老舗として、プロとしてまずはシロアリに関する知識力を向上させる。研究を通して新たな可能性を見出していく。より最適な防除方法・防除薬剤を追い求め、お客様の住まいを守るとともに業界全体としての技術力向上にも貢献していけるよう、追及・進化をし続ける。

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