天竜ヒノキによる遊具を寄贈「森林問題の解決に向けて、小さくとも持続的な活動を」

DATE : 2024.08.11
目次
アイジーコンサルティングの新築事業「IG STYLE HOUSE」が、浜松市内の認定こども園「マーガレットこども園」と「うちのの丘。こども園」に、天竜ヒノキでつくった遊具を寄贈しました。これらの活動は「IG STYLE HOUSE」による、大径化して使いどころのなくなった丸太を有効活用する「JAPAN WOOD PROJECT」内の取り組みです。本記事では、「マーガレットこども園」での寄贈当日のレポートと「JAPAN WOOD PROJECT」メンバーへのインタビューをお届けします。

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この記事のPOINT
  • 2つの認定こども園に天竜ヒノキでつくった遊具を寄贈
  • 「JAPAN WOOD PROJECT」は森林問題を解決するための活動
  • 問題意識を広げるためには草の根的な取り組みが大切
  • 日本の“暗い森”を明るくしたい
この記事に登場する人
佐原康隆
株式会社アイジーコンサルティング ライフプラン事業部 アイジースタイルハウス浜松・豊橋マネージャー
2006年の新築事業立上げ(現:アイジースタイルハウス)に参加。今回の寄贈にあたり、プロジェクトの説明を担う。
芥川建斗
株式会社アイジーコンサルティング ライフプラン事業部 アイジースタイルハウス浜松・豊橋 施工管理
アイジースタイルハウス浜松スタジオの現場監督。今回の遊具寄贈に伴う制作や段取りなどを担当。
足立潮美
株式会社アイジーコンサルティング ライフプラン事業部 アイジースタイルハウス浜松・豊橋 施工管理
アイジースタイルハウス浜松スタジオの現場監督。芥川さんのサポーターとして、寄贈までの準備と当日の写真撮影を担当。

遊具寄贈レポート in マーガレットこども園

じゃ〜〜ん!! これが今回、「マーガレットこども園」さんに寄贈した、天竜ヒノキによる平均台の遊具です! 「JAPAN WOOD PROJECT」のメンバーは、左から足立、佐原、芥川です。
近くに寄った写真では、ヒノキらしさがぐ〜んと伝わってきます。
天竜ヒノキの平均台をつくったのは、「IG STYLE HOUSE」の職人グループ「IG WORKS」のお二人です!
お二人が平均台を設置すると……。
さっそく、子どもたちがピョンと平均台に乗ってきました!
そして、あっという間に行列が……!
そして、あっという間に行列が……!
最後は子どもたちと職人さんで記念撮影! 普段はマジメ顔の職人さんも、子どもたちにつられてにっこり笑顔です。
さて、次は「JAPAN WOOD PROJECT」メンバーへのインタビューです! どうして、遊具の寄贈をしたのか、プロジェクトを通じてどんな未来を描きたいかなど、熱い思いに迫ります!!

グッドデザイン賞を受賞した「JAPAN WOOD PROJECT」とは?

取材班

「マーガレットこども園」への遊具の寄贈が、写真からも伝わるくらいにとってもいい雰囲気でしたね! ほかにも、認定こども園「うちのの丘。」に同じ遊具を寄贈したと聞いています。

佐原さん

2021年から2023年には、「JAPAN WOOD PROJECT」の取り組みで「はままつフラワーパーク」にベンチなどを寄贈して、浜松市からCSR活動で表彰していただきました。今回は「JAPAN WOOD PROJECT」の取り組みを広げるにあたって、なにかできることはないかと考えた結果、アイジーコンサルティングの従業員の子どもたちが通っている幼稚園や保育園に遊具を寄贈できないか、と始まったものです。

取材班

そうだったのですね! 寄贈当日の様子なども聞きたいのですが、まずは「JAPAN WOOD PROJECT」を知らない方に向けて、活動の概要を教えてください!

佐原さん

え〜〜、ちょっとお待ちくださいね。(と、タブレット端末をコソコソと操作し始める佐原氏)

取材班

む……?

佐原さん

国内の森林育成において、“直径30cmを超える大径木”が、利用価値が低いとされ過剰な森林在庫になりつつあるという社会的な課題があります。森林在庫が増えるということは、国内の林業の仕事がなくなり、山林管理コストが捻出できず、結果、山林が衰退していくことにつながります。

芥川さん

そこで、アイジーコンサルティングは、新築事業の「IG STYLE HOUSE」が中心となり、浜松の木材を取り囲むサプライチェーンで連携し「JAPAN WOOD PROJECT」を立ち上げました。

足立さん

「IG STYLE HOUSE」で建てる家の構造躯体をブロックモジュールの規格化で組み上げることで、大径材を住宅躯体に活用するだけでなく、大径材の端材を捨てることなく、仕上げ材活用などへ有効利用することで、この課題の解決を図りました。大径材の需要増進は価格の安定化につながり、良質な国産材住宅と木製品の提供が可能となり、森林の活性化サイクルは、サステナブル社会の実現にも寄与します。

取材班

んんん……?

芥川さん

……どうしました?

取材班

今、「JAPAN WOOD PROJECT」のホームページの冒頭を3人で読みましたね!?

芥川さん

あはは、情報が正確なのに越したことはないじゃないですか!

取材班

確かに……。あとは、「JAPAN WOOD PROJECT」は過去に賞を受賞したと聞いています!

佐原さん

そうなんです。「JAPAN WOOD PROJECT」は、2020年にグッドデザイン賞を受賞している活動なんですよ。

取材班

2020年ですか。今も活動を継続しているんですね。

佐原さん

その通りです、継続することに意味がありますから!

問題意識を草の根的に広げていきたい

取材班

でも、寄贈した遊具は、どうして平均台だったんですか?

佐原さん

いろいろな遊具が候補にあがったのですが、丸太の形状を生かせる平均台がインパクトもあっていいのでは、という話に落ち着きました。

取材班

子どもたちの反応はいかがでしたか?

芥川さん

とっても、よろこんでもらえました。最後は、子どもたちから「ありがとう」と感謝の言葉を掛けてもらえて。園の先生たちも、子どもの発達には自然の木がいいんです、とおっしゃっていました。

足立さん

職人さんたちも、集合写真のときに思わず笑顔になっていました。子どもたちは行列をつくっては遊んで、を繰り返していて楽しそうな様子が伝わってきました。バイバイの時に手をタッチしてきてくれて、キュンとしました(笑)。

取材班

それは胸キュンですね〜〜! 寄贈した日は、保護者の方向けの「JAPAN WOOD PROJECT」の説明会もあったと聞いています。

芥川さん

そうなんです。佐原さんが「JAPAN WOOD PROJECT」の目的などを話したのですが、非常に好反応でしたよね?

佐原さん

はい。保護者の方のなかには「IG STYLE HOUSE」のオーナー様もいて、「こういう活動をしている会社に住宅をつくってもらえたことが誇らしい」と言っていただけました。あとは、「今、坪井町で工事をしている会社さんですよね?」と地元の方ならではの質問をいただいたり(笑)。

説明会の様子
足立さん

保護者のみなさんが、うなずきながら佐原さんの話をお聞きになっていたのが印象的でした。今後も別の園に、天竜ヒノキを使った遊具を寄贈していく予定なので、徐々に問題意識が広がっていけばいいな、と思っています。

芥川さん

子どもたちが遊んでいる姿を見ると、この活動はどんどん続けていきたいなと感じたよね。

天竜から日本を巻き込んでいきたい

取材班

活動を続けることに意義があると思います!

佐原さん

その通りだと思っていて。賞をもらって終わり、になってしまっては意味がないんです。「JAPAN WOOD PROJECT」は住宅づくりとは切り離せない森林問題に目を向けるところからスタートしているので、すぐに解決できるものではありません。だからこそ、小さなアクションでも、持続的な活動をしていこうと。

取材班

活動の輪が広がっていけば、将来的には大きな渦になっていくものだと信じています! みなさんの話しぶりからも、能動的にプロジェクトに参加している様子が伝わってきて、取材班も誇らしい気持ちです。

足立さん

いい取り組みをしているなと前々から思っていたので、参画できることになったときは本当にうれしかったです。

芥川さん

自分は、挙手して参加したくらいですから。

佐原さん

若いメンバーが意欲的でありがたいです。社会貢献こそがアイジーコンサルティングの根源にあるので、活動がより活発化していくといいなと思います。

取材班

将来的には「JAPAN WOOD PROJECT」で、どのようなことができたら、うれしいですか?

佐原さん

とても大きな目標になりますけど、自分は花粉症を撲滅したいと本気で思っていて。と言うのも、花粉症ってスギやヒノキが原因じゃないですか。でも、それって、終戦直後の日本がとにかく家をたくさん建てないと、ということでスギやヒノキをたくさん育てたからなんですよね。結果、今、たくさん材木が余ってしまっているんですけど。

取材班

そうして、大径化してしまうと利用されづらくなる、という悪循環があります。

佐原さん

そうです。しかも、海外の材木のほうが安く仕入れられるので、ますます日本の材木が使われづらいという現実があって。でも、日本の住宅メーカーがもっと日本の木を使っていけば、日本の森の多さは針葉樹の森から広葉樹の森に変わって、明るい森が増えていくはずなんです。

取材班

簡単に切り出して持ち運びできないくらい、スギやヒノキの森が育ってしまっているそうですね。

佐原さん

その通りです。一世代では解決できないかもしれませんが、活動の輪が広がっていくほど、実現性は高まるので。極端な話をすると、今回の遊具を寄贈した園の子どもたちが大きくなったときに、「そういえば、あの遊具はこんな目的でつくられたって先生が言っていたな」と思い出してくれるだけでもいいんです。草の根的に広げていければと考えています。

芥川さん

今は浜松市の天竜材と、岐阜県の飛騨材の活用に向けて取り組んでいますが、「JAPAN WOOD PROJECT」という名前の通り、日本中に派生していけば国をも変えられると思っています。現在、日本の国土の約7割が森林なので、宝の持ち腐れなんですよ。それを解消していければ。

足立さん

明るい森になると、自然の豊かなところで子どもが育つことができるので、感受性が豊かになると思うんです。日本には四季があり、春・夏・秋・冬と、それぞれの森の姿があります。そのすばらしさを、子どもたちに体感してもらいたいです。

この記事のまとめ

「小さな活動が、やがて大きな輪になっていく。渦を巻き起こすには、まず一歩を踏み出すことが大切なのだ」というのが本記事の主題だろう、と取材時に感じました。「遊具の寄贈」をはじまりに、「日本から花粉症をなくしたい」という話にまでスケールが大きくなるとは、誰も予測していなかったかと思います。でも、それくらい、みんな真剣にこの活動に取り組んでいます。いつか、大きな渦になると信じながら。

アイジーコンサルティングは、自分たちが持続的にできる活動として「JAPAN WOOD PROJECT」を立ち上げました。この記事を読んで「いいね」と思ってくださった方は、ぜひSNSなどに感想をあげてもらえるとうれしいです。あなたのその行動も、日本の森林問題を解決していく活動の輪の広がりなのです。

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