「トライ・アンド・エラー(前編)」|スイッチインタビュー神奈川

DATE : 2022.10.17
目次
日々、最高の技術力をもって、地域のお客様のお家のメンテナンスにあたっているチームがある。
アイジーコンサルティング メンテナンス事業部アフターサービス課。
創業以来120年にわたって技術とマインドが受け継がれてきた、木造住宅メンテナンスのプロフェッショナル集団だ。
その知られざる仕事の裏側に迫る。
 
▼後編はこちら
https://365-plus1.forlong.jp/1923
この記事のPOINT
  • 「実感」による気づき・学びは最強にして最良!
  • まずはやってみる、ダメだったらすぐにやめる、よさそうなら続ける。
  • 「工夫の積み重ね」と「原理原則の理解」は両輪で
この記事に登場する人
宮川辰也
厚木店
アフターサービス課・リーダー
今回の話し手。
2013年入社。神奈川県を中心に関東地方の施工を担う。
現在の神奈川県内のアフターサービス課チームを率いている中心的存在。
相川祐也
横浜支店
アフターサービス課・リーダー
今回の聞き手。
2008年入社。神奈川県を中心とした関東地方の施工を担う。
宮川さんと共に神奈川県のアフターサービス課チームを導く頼れるリーダー。

チームの強みを活かし、やりがいを育むための「トライアンドエラー」

相川さん

 
宮川さんが、今、特に力を入れていることって何ですか?

宮川さん

チームの若手メンバーの育成です。
現在、神奈川チームには入社5年以内の若手メンバーが6名いますので、このメンバーの成長がチームの力に直結します。

そのために、「トライアンドエラー」というスローガンのもと、「顧客体験価値の創造」と「技術力の伝承」、この2つの取り組みに力を入れています。

数年前までは、新人が入ってきても「早くアフターサービス課を卒業してカスタマー営業課へ行きたい」という人が多かったのですが、最近は「アフターサービス課の仕事をやりたい!」というメンバーが増えてきて、私としてはとても嬉しいです。

相川さん

私もメンバーと話をしていると、「お客様に喜んでもらう」ことがやりがいになっているんだなと、日々実感しています。
宮川さんから見るとどういう変化があったと思いますか?

今回の話し手・宮川さん
宮川さん

神奈川のアフターサービス課チームのメンバー間で、「お客様へ最高の体験価値を提供しよう」「それが、神奈川チームの強みだ」という認識が、明確に共有されたことが大きかったと思います。

数年前に、超ベテラン社員の定年退職や、若手メンバーの異動が重なった時期がありました。その時、神奈川チームの対応力や技術力がきちんと伝承できるのか?という課題が浮上しました。
もともと古くから事業拠点がある愛知県や静岡県のメンバーからすると、20~30代のメンバーが多く、築浅物件を中心に施工している神奈川チームは、心許なく見えたのかもしれません。

相川さん

そんな時期もありましたね。
私は静岡県内の拠点に所属していたこともあるので、両方の地域の良さを実感しているつもりですが、神奈川チームならではの強みもありますよね。

宮川さん

はい。
データを分析してみると、
・施工したお客様から、別のお客様をご紹介いただけた数
・施工時に、追加工事のご依頼をいただいた数
・施工後のお客様アンケートの評価
この3つが、他のチームよりも高い水準だったんです。

相川さん

 
この神奈川チームの強みを、もっと活かしていこうと。

宮川さん

はい。
神奈川チームの強みを活かし、弱点を克服する取り組みが、
・顧客体験価値の創造
・技術力の伝承
なんです。

お客様が、思わず誰かに話をしたくなるような仕事をしよう

相川さん

顧客体験価値といっても考え方はいろいろありますが、宮川さんはどのように捉えて取り組んでいますか?

宮川さん

この取り組みは、入社3年目のメンバーが主導してくれていまして、メンバーと話をする時には、「お客様が、思わず誰かに話をしたくなるような仕事をしよう」と表現しています。
たとえば、施工にお立合いいただけなかった他のご家族の方へ、「今日はこんな人が施工してくれてね・・・」という話をしていただくようなイメージです。

相川さん

私も、この表現はとても好きです。
お客様がとても喜んでくださっているイメージなのがいいですよね!

宮川さん

私や相川さんと同じように、メンバーも納得感をもって取り組んでいると思います。
これも、メンバーと一緒に「トライアンドエラー」で取り組みを続けてきた結果だと思います。

相川さん

 
というと?

宮川さん

取り組みをはじめた当初は、「お客様アンケートの評価」と「別のお客様のご紹介」を、別の項目として捉えていました。
なので、「どうすれば、お客様アンケートの評価を上げられるか?」とか、「どうすれば別のお客様をご紹介いただけるのか?」とか、そういう視点で取り組んでいました。

今思えば表面的なことだったと思いますが、それに気付けたのも「トライアンドエラー」ということで、現場で実際に取り組んでみたからだと思います。
現場で取り組むうちに考えが切り替わって、
「まずは今のお客様に集中しよう」
「そのお客様が、誰かに話をしたくなるような仕事をしよう」
という考え方が、メンバーの間で自然に広まっていきました。

お客様から返送いただいたアンケートを、チームメンバーで共有
若手メンバーからの情報発信も活発だ
相川さん

 
考え方が切り替わってからは、どんな取り組みがあったのですか?

宮川さん

たとえば、入社4年目のメンバーが中心になって、改めて「身だしなみ」を整える取り組みを進めました。
・靴はキレイに磨かれているか?
・不快な臭いはないか?
など、書き出してしまえば「当たり前」のことです。
でも、本質的なお客様体験は、こうした「当たり前」のことがいかにきちんと徹底できているかによって左右されるのだと、実際に取り組むことで実感しました。

相川さん

どれだけ「紹介してください!」とお願いしても、お客様が実際に体験したサービスが並大抵であれば、紹介したいとは思わないですもんね。

宮川さん

はい。それまで別々に捉えていたことが繋がって、「お客様からの最大級の評価が、別のお客様のご紹介なんだ」と実感したんだと思います。
実際、表面的な取り組みをしていた時は0回でしたが、考え方が切り替わってからは同じ期間で5回も別のお客様をご紹介いただくことができました。

相川さん

とても嬉しい変化ですよね。メンバーからしても、別のお客様をご紹介いただけることは、見える形で自分の仕事が評価されたと分かることですし、お客様に喜んでいただけたという実感もしやすいし、やりがいや達成感に繋がりますよね。

宮川さん

顧客体験価値の向上については、メンバーから、「もっとこうやった方がいいのでは?」というアイデアがどんどん出てきています。若手メンバーが中心となって、チームの課題に対して具体的なアクションを起こせているので、次世代のリーダーも育ってきている実感があります。

「トライアンドエラー」ということで、「まずはやってみる。ダメだったらすぐにやめる。よさそうだったら続けてみる。」というやり方が、今のチームの特性に合っているんだと思います。

(左)聞き手・相川さん (右)話し手・宮川さん

技術力の伝承は、「道具」と「知識」の両輪で工夫を重ねる

相川さん

 
もうひとつの「技術力の伝承」には、どのように取り組んでいますか?

宮川さん

技術を伝える道具を工夫しています。
たとえばこの模型・・・

宮川さん自作の壁の模型
床の模型を使って穿孔処理を再現
相川さん

 
「壁」と「床」の模型ですね。

宮川さん

はい。私は個人的にこういうのを作るのが好きなので、合間を見て構造模型を作っています。
模型を使うと、「なぜ、その施工方法なのか?」を、体感で理解しやすいですから。

相川さん

今までも、住宅の構造を学ぶことはしてきましたが、テキストで学んで現場で習得するというスタイルでした。お客様のお家なので当然失敗できないですし、ミスすれば先輩に叱られるしで、新人にとっては相当な緊張感ですよね。

宮川さん

私自身も現場で学ばせてもらってきたのですが、できればテキストと現場の中間で、実際に体感できる場が欲しいなと思っていました。そこで、自分の趣味も兼ねて、このような模型をつくり、メンバーへの技術指導に活用しています。

相川さん

 
宮川さんは、実際の施工道具の工夫もしているんですよね?

宮川さん

はい。最近完成したのは、施工時のドリルによる穿孔作業の事故を防ぐ道具です。
シロアリ防除薬剤を注入する際、お家の構造によっては、壁や床に穴を開けることがあります。その時の、壁内や床下に埋設されている塩ビ管や鉄管(水道・電気・ガス)への損傷リスクをゼロにしようという狙いです。

相川さん

確かに、ドリルで穴を開ける時の感覚は、人によっては習得が難しい場合もありますよね。

宮川さん

はい。これは、誰もが安心して安全に作業ができるようにするための道具です。
仕組みはシンプルで、シリコン素材の板を、こうしてドリルにつけます。

実演中の宮川さん
相川さん

 
ふむふむ

宮川さん

そうすると、シリコンがストッパーになって、それ以上穴を開け進めることができない仕組みです。
もう少し深く穴を開けたい場合は、このストッパーを1枚ずつドリルから取り除きます。
重ねる板の枚数を変えることで、3mm単位でドリルの深さを調整することができるんです。

壁の模型を使って、ストッパーの仕組みを説明
相川さん

これなら、調整もしやすいし、誰でも安全に穿孔作業ができますね!
ちなみにこの道具、なんていう名前ですか?

宮川さん

あ・・・決めていなかったです・・・
では、シンプルに「カンヌカナイ」で・・・

相川さん

配管を抜かないから、「カンヌカナイ」!
安全に施工ができそうでいいですね。

宮川さん

一方で、道具に頼りすぎてもよくないので、知識面の教育にも取り組んでいます。

今、特に注力しているのが、壁や基礎など、住宅の構造への理解を深めることです。
住宅の工法が多様化していて、本当にいろんな種類の構造があるので、原理原則を学んでおかないと、現場での応用・判断ができません。
一朝一夕にはいかないと思うので、2年計画でじっくり取り組んでいるところです。

相川さん

 
宮川さんは勉強会の運営チームにも入っていますが、どんな点を工夫していますか?

宮川さん

いかに知識を自分のものとして吸収してもらうかが重要だと考えていますが、ただ話を聞くだけでは知識は入ってきませんよね。また、勉強会のその場で質問の時間をとっても、その場で質問するメンバーは限られてしまいます。

なので、事前に質問を受けておき、当日は質問への回答を交えて進める方式で行っています。事前に資料を配布しておけば、自分のペースで読み進めることができますし、事前質問の仕組みを作っていることで、質問しやすい環境が作れればと思っています。

加えて、勉強会後には、参加者から匿名でアンケートをもらっています。
中には厳しい意見もあって、
・分かりづらい
・話すのが速すぎる
などの指摘をいただくこともありますが、そうした意見も運営チームで共有し、修正や改善を重ねているところです。

相川さん

勉強会の運営ひとつとっても、工夫を積み重ねているんですね。

宮川さん

はい。ただ、施工に関しては、現場で工夫を積み重ねていると、気付かないうちに「独自ルール」が生まれてしまうことがあります。
それを避けるために、神奈川チーム内では「施工基準書」の読み合わせを継続しています。

もちろん、現場の状況によって臨機応変に対応しますが、何が「基準」なのかきちんと理解できていることで、外してはいけないポイントを抑えることができると考えています。

「施工基準書」を、スマートフォンで見られるようにしている
相川さん

改めて宮川さんとお話ししてみて、「基本」を徹底することがいかに「応用」に役立つのかを実感しました。まさに、守・破・離ですね。ありがとうございました。

宮川さん

こちらこそ、ありがとうございました。
次回は私が相川さんへインタビューさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

この記事のまとめ

自分たちの強みによって、お客様に喜んでいただけること。
仕事をするうえで、これほど嬉しいことはないのではないか。
そしてその「自分たちの強み」は、自分たち自身で気づき・守り・育て・磨き続けることで、初めて「活きた価値」としてお客様へ届けられるようになるのかもしれない。
後編にもご期待いただきたい。

▼後編はこちら
https://365-plus1.forlong.jp/1923

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