高校生のフィールドスタディを開催しました-浜松学院高等学校

DATE : 2023.02.20
目次
アイジーコンサルティングは、マイナビ社の総合探求学習・フィールドスタディに賛同し、取り組みに参画している。
2022年11月1日、浜松学院高校の生徒さんがフィールドスタディのために、アイジースタイルハウス浜松へお越しになった。その様子をレポートする。
 
▶マイナビの総合探求学習プログラム「locus(ローカス)」
https://locus.mynavi.jp/
この記事のPOINT
  • マイナビの総合探求学習プログラム「locus(ローカス)」を通じたフィールドスタディに参画
  • 企業と社会の関わりを「体感」「実感」しながら学ぶ機会を創出
  • 社員にとっても新たな気づきを得る機会になっている
この記事に登場する人
内山麻衣子
アイジースタイルハウス浜松・建築営業
浜松市出身。
「自分が結婚して子どもができたときに一番住みたい家を実現できる会社で働きたい」と思ったのをきっかけに入社。
趣味は自分の子どもの写真を撮ること。
芥川建斗
アイジースタイルハウス浜松・現場監督
浜松市出身。
祖父の影響で子どもの頃から建築業界・職人の世界に憧れをもち、夢を実現するため大学で建築を学び、施工管理の仕事へ。
趣味はスノーボード。

講義タイム

まずはセミナールームで、自己紹介と、会社や事業の説明です。
なぜアイジーが住宅事業に取り組んだのか、社会的な背景も含めた説明がありました
内山さん

明治32年の創業から、ずっとシロアリ防除事業だけをやってきていたのですが、転機が訪れます。
この転機によって、新築住宅やリフォーム事業へ挑戦していくことになりました。

それが、阪神淡路大震災です。
1995年1月17日に起きた地震によって、20万棟以上の住宅に被害がもたらされ、6000人の方が命を落としました。
地震で倒れてしまった建物を調査した結果、シロアリの被害にあっていたり、構造材が腐ってしまっている建物は、8割が全半壊していることが分かりました。逆に、シロアリや腐朽の被害がない建物は、被害を受けた住宅が3割にとどまっていることも分かりました。

内山さん

私たちが事業活動をしている静岡県浜松市も、昔から大地震がくると予測されている地域だったため、1995年当時の社長が「地元の方の命を守るために、もっと何かできることがないか?」と考えました。その結果、「今ある住宅をより強く長持ちさせることで、命を財産を守ることが新たな使命だ」と思い至り、1999年に耐震・リフォーム事業をはじめました。

耐震・リフォームの仕事をはじめてみると、あることに気が付きました。
お仕事をご依頼いただくお客様のお話しを聞いていると、ほとんどの方が新築から20~30年で建て替えをしたいとおっしゃるのです。
実際、日本の住宅寿命は平均で27~28年と言われています。
すごく短いですよね。
こうした課題意識から、「長持ちする家をつくり、守っていくことが次なる使命だ」と考えるようになりました。
そして2006年に「長持ちする住宅で豊かな暮らしを実現する」というビジョンのもと、新築建築事業をはじめました。
現在では、「地球品質」というコンセプトを掲げ、機能的価値・感性的価値・社会的価値の3つの価値を両立するお家づくりに取り組んでいます。

「地球品質」について詳しくはこちら
https://www.e-igc.jp/earth/

住宅のサプライチェーンについて紹介
芥川さん

皆さん学んだかもしれませんが、ひとつの製品が皆さんの手元に届くまでには様々な会社や人の手を介していて、これを「サプライチェーン」と呼びます。
たとえば、原材料をつくっている方、製造している工場の方、工場から全国へ届ける輸送会社の方、そしてスーパーやコンビニといった小売業の方など、本当に多くの方が関わります。

私たちが建てている住宅は木造住宅で「木材」を使う建築工法ですので、今日は「木材」に関するサプライチェーンのことをお伝えしようと思います。

「木材」をとりまく社会課題に、「国産木材の自給率低下」があります。
国産材の自給率は35%、建築構造材の自給率だと3%しかありません。また、日本は国土の7割が森林で覆われている森林大国ですが、木材として使われているのは5%にとどまると言われています。

「ウッドショック」という言葉をご存知ですか?
コロナ禍の影響で、外国産材が輸入できなくなり、家が建てられないケースもありました。その対策として、代わりに国産材を使おうとする企業が激増し、結果として木材価格が高騰したんです。
日本が抱える木材需給の問題が浮き彫りになったできごとでした。

芥川さん

ここで、
「木材」のサプライチェーンがどうなっているか考えてみましょう。

林業・森林組合
山で丸太を生産する方々です。

製材業
生産された丸太を、柱の形に加工します。

乾燥加工業
柱の形に加工されたあとすぐに使えるわけではなく、乾燥させる必要があります。
乾燥加工を担当する企業さんもあるんです。

木材販売業
乾燥させて製品になったら、販売を担当する企業さんが、地域の工務店へ販売していきます。

住宅会社
それを私たち住宅会社が買って、家を建てていきます。

一般的には、このようなサプライチェーンになっています。

ただ、各段階の事業者さんの話を聞いてみると、サプライチェーンが一方通行になっていることで、サプライチェーンの各段階でそれぞれに課題を抱えていることが分かりました。
こうした課題を踏まえ、私たちは新しいサプライチェーンを構築しました。
それが「JAPAN WOOD PROJECT」です。

JAPAN WOOD PROJECTで構築した、新しいサプライチェーン
芥川さん

従来のサプライチェーンが一方通行だったのに対して、
「JAPAN WOOD PROJECT」では、関わる人たちが全員で集まって話し合う場をもうけ、その場で木材の生産計画を立てる仕組みとしています。
こうすることで、各段階で困っていることを持ち寄り、全員で解決方法を考えて実行することができるようになりました。

※「JAPAN WOOD PROJECT」の詳しい取り組みはこちら
https://ig-consulting.co.jp/jwp/

コンセプトハウスを見学

講義が終わると、いよいよコンセプトハウスの見学です。
コンセプトハウスを見学する生徒さん
デザインや構造のポイントを説明する内山さん・芥川さん
床に設置された「ガラリ」に注目した生徒さん
漆喰と天然木の壁がどう作られたのかに注目した生徒さん
コンセプトハウスの中を、内山さん・芥川さんの案内で一通り見学したあと、各自が自由に見学・観察する時間が設けられました。
生徒のみなさんは、それぞれ気になったポイントをじっくり満喫。
中には、専門的な質問をされる生徒さんもいらっしゃいました。

質問タイム

続いては、生徒さんからの質問タイムです。
リラックスした雰囲気で質問タイムがスタート
生徒さん

今後の目標は何ですか?

芥川さん

先ほど紹介した「JAPAN WOOD PROJECT」では、森林の課題を解決することを目指していて、まだまだこれから発展させていくことが目標です。

現場監督としては、建築に携わる「職人」さんの職業を、もっと魅力的にすることで、将来の担い手を増やしていきたいと考えています。建築現場の仕事を魅力ある仕事として、多くの方へ発信していきたいです。

会社としては、社会から必要とされたいという想いが強い会社です。今後も何かしらの社会課題に直面することがあると思うので、そうした社会課題を解決し続けることができる会社でありたいというのが今後の目標です。

内山さん

私は営業という仕事からの目標ですが、今までお引渡ししたお客様に対して、そのお家があり続ける限り私たちがサポートし続けるために、会社を黒字で経営していくことが必須です。お客様からの信頼を裏切らない仕事を続けていくことが目標です。
また、社会課題の解決にも貢献したいです。家を建てて頂いたお客様に限らず、地元の方々にも応援していただける会社になっていきたいです。

個人的な目標ですが、私は2歳の子どもの子育てをしながら働いているので、正社員なのですが保育園の送り迎えができるよう、時間を短縮して勤務しています。育児と家庭と仕事を両立できるよう、会社が理解して用意されている制度を使っています。バランスを取ることがとても難しいですが、それにめげずにしっかりと両立して、自分がやりたいことを最後までやり抜くことが目標です。

このほか、
 
・仕事のやりがいは何か?
・なぜ今の仕事をしているのか?
 
など、会社や事業のことだけでなく、内山さん・芥川さんへ「社会人」としてどのように考えているのかを問う質問もありました。
生徒さんの質問に答える、内山さん・芥川さん。自然と熱が入る。

フィールドスタディを終えて

お2人は、生徒さんとのやり取りの中でどのようなことを感じたのでしょうか。
感想を聞いてみました。
内山さん

なるべく「locus(ローカス)」のプログラムに沿えるよう、サプライチェーンのことだったり、会社の目的や強み、社会問題にどう取り組んでいるのかということを中心に、なるべく生徒さんにとって勉強になるようなことをお伝えできるよう取り組みました。
普段接しているお客様とのコミュニケーションとは異なる点もあり、試行錯誤がありました。

芥川さん

生徒さんへお話しする時に、私たちが思っている以上に嚙み砕いた説明が必要だということに気付かされました。たとえば「柱」。なんとなく「柱」は分かっていても、建築的にどういうものなのか分かっていないと理解し辛いのだろうと思っても、「柱」をどうやって説明すればいいのかが分からない・・・という感じです。
でも、これは私自身がまだまだ理解不足だから。自分で噛み砕いて深く理解できれば、普段の業務のコミュニケーションももっとスムーズになるのではないかと感じました。私の課題ですね。

この記事のまとめ

高校生は、将来の夢や進路について真剣に向き合う機会が増えるタイミングだ。そのタイミングで、企業と社会の関わりについて実体験を持って知ることは、キャリア形成上とても重要な機会となる。
参画する企業の側としても、参加いただいた生徒さんと真剣に向き合うことで、社員に新たな気づき・発見がもたらされる。どのような社会課題に、自分たちの事業活動がどのように関わってきたのか。そしてこれからどのように関わっていくのか。社員一人一人が向き合う場として、今後もフィールドスタディの取り組みに参画していきたい。

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