分断からチームへ、お客様にみんなで商品を届ける。JAPAN WOOD PROJECTの未来につなぐ想いのバトン。

DATE : 2024.04.26
目次
サプライチェーンでつながる様々な事業者が参加するJAPAN WOOD PROJECTの未来にはどんな展望があるのだろうか。また、参加する人々の想いはどのようなものなのだろうか。「天竜」の木材を取り巻く人々の思いをインタビューを通してリレー形式で紹介していくJAPAN WOOD PROJECTインタビューリレー第四弾。インタビューリレー記事ラストとなる本記事は、佐藤建具家具店の佐藤さんにお話を伺った。彼らの想いは一体どんなものなのか、詳しくお伝えする。様々な立場の参加者たちの想いを垣間見ることによって、JAPAN WOOD PROJECTの未来像が見えてくるかもしれない。

※JAPAN WOOD PROJECTについて詳しくはこちら
インタビューリレー第一弾▼
天竜の木をみんなで届ける。JAPAN WOOD PROJECTの未来につなぐ想いのバトン。
インタビューリレー第二弾▼
天竜の木をみんなで届ける。JAPAN WOOD PROJECTの未来につなぐ想いのバトン。 インタビューリレー第三弾▼
天竜の木をみんなで届ける。JAPAN WOOD PROJECTの未来につなぐ想いのバトン。
この記事のPOINT
  • 佐藤建具家具店とは
  • Japan Wood Projectいざ始動
  • 分断されたサプライチェーンがチームになった瞬間
  • 未来の展望と課題解決に向けた取り組み
この記事に登場する人
佐藤 弘人
株式会社佐藤建具家具店
4代目代表取締役社長。Japan Wood Projectの中では、製材された木材を建具に加工し、住宅会社に販売する、木材加工の部分を担っている。
”JAPAN WOOD PROJECT”
それは、「繋がり」。人々が木のぬくもりを感じ、木の恩恵をまた山へ返す。みんなでつくる循環の物語。

木材がお客様に届くまでには、林家、丸太市場、製材所、販売店、加工業者、住宅会社というサプライチェーンが存在します。しかし、従来の形は、そこに資材の流れが存在しているだけ。

川上である「山側」の願いは川下である「建築会社」に伝わることはなく、逆に川下である「建築会社」の想いが川上の「山側」へ届くことはありませんでした。

そこで、JAPAN WOOD PROJECTでは一方通行だったこの木材産業サプライチェーンの構造を複方向になるよう統括しました。

「従来型サプライチェーン」の図
それぞれの事業者が持っていた課題をみんなで解決し、想いを理解し合うことで、どんな道を築き、どんな未来へつながっているのか。

JAPAN WOOD PROJECTに関わる事業者の声を聞きにいく、JAPAN WOOD PROJECTリレーインタビューシリーズ第四弾。

今回は、佐藤建具家具店さんにお話を伺った。
JAPAN WOOD PROJECTの構図と佐藤建具家具店さんの関係

癖のある木も、工夫次第で価値ある商品に

佐藤建具家具店について

取材班
改めて佐藤建具家具店さんについて教えてください。

佐藤
主に、住宅と店舗の家具と建具を制作しています。

取材班
どういったところから、お仕事の依頼が来るのでしょうか?

佐藤
大手ゼネコンさんから工務店さん、そして直接飛び込みでいらっしゃるお客様やそこからご紹介いただく方など、様々です。

取材班
お仕事で、こだわっている部分を教えてください。

佐藤
こだわりというより、当たり前に考えていることですが、お客様にとって手が届きやすくて質の高いものを作るというところですね。

取材班
具体的にはどのようなことを工夫されているのでしょうか?

佐藤
節がある木は、これをどう面白く「味」にできるかを考えて活用したり、製材屋さんからもらった細くて使えない木を接合して使える木として活用するといったことです。木はやはり自然素材なので、姿・形・性格、様々です。そして、材料は決して安いものではないので「使いにくい木だ」と僕がそこで使う判断を辞めてしまったらお客様に渡った時の値段もどんどん高くなってしまいます。お客様、その手前のアイジーさんたちができるだけ買いやすいように、僕ができることは全部したいと思っています。

JAPAN WOOD PROJECT × 佐藤建具家具店

最初は敵同士。上手くいくのか不安だった。

取材班
JAPAN WOOD PROJECT が始まった当初どんな感想を抱いていらっしゃいましたか?

佐藤
最初は冗談かと思いました(笑)
今までのサプライチェーンでは、川上から川下まですべての業者が繋がることはありえませんでしたし、避けていた部分があったと思います。

取材班
以前のサプライチェーンでは、佐藤さんが関わるのは、元請けの工務店様や、発注先の製材屋さんがメインですよね。

佐藤
そうですね。製材屋さんに連れられて、原木市場に行くこともありましたが、変な言い方をすると川上は「敵」だったんですよね。例えば、「いい材料だよ」と言われても「粗があるんじゃないか....」とお互い心の中では睨み合っているような...(笑)
一方通行型のサプライチェーンでは、その疑い合いは当たり前なんです。商売なので。だから、このプロジェクトの話を聞いたときは、「本当に実現するのか?どんな感じの雰囲気なんだろう...」と不安な気持ちもありました。

取材班
実際に始まってみていかがでしたか?

佐藤
しっかり実現しましたね。そしてこのやり方が正しいと思うようになりました。エンドユーザーとして商品を受け取るのはお客様なのに、そこに行きつくまでにどうして余分な争いをしていたんだろう、と不思議に思います。一番気持ちよく、お客様に最高の状態で商品を持っていくためにはこのやり方だなと確信しています。

取材班
チームでお客様まで届けるという考え方ですね。

佐藤
それぞれの場所で「木のプロ」が本当に良い材料をバトンとして受け継いでいくような感覚です。

プロが集まり、素直にわがままを言い、受け入れ合う

取材班
Japan Wood Projectが上手くいった理由はどこにあると思いますか?

佐藤
木をとりまく、それぞれのプロ集団のリーダーが集まっています。皆さん、結構言いたいこと言うんですよね。でも同時に、頭としてやってきた人たちなので心も広くて、周りのわがままも聞いてくれるんです。自分のありのままのわがままを「共有」して、それを「受け入れ合う」という関係性なので、うまくいったのではないかなと思います。気を遣って、言いたいことを言い合えない関係ではきっと長続きしないですよね。

取材班
最初に不安に思っていたというプロジェクトメンバーとの関係性ですが、とても良好に築けているんですね。

佐藤
今では、直接、川上の原木市場に電話をするようになりました。Japan Wood Project が始まる前は、想像もしていなかったですね(笑)

今後の佐藤建具家具店とJAPAN WOOD PROJECT

今後の業界予測と展望

取材班
佐藤建具家具店さんの展望や今後叶えたい未来について教えてください。

佐藤
時代は動き続けていくので、お客様のニーズに合っていて負けないものを作っていかなければいけません。エンドユーザー様のニーズをキャッチすることはもちろん、僕らがつくってきたそのストーリーや、素材やデザインの良さについて「伝える」ことも大切になってきます。そういった部分で、Japan Wood Projectをもっと活用していきたいですね。

取材班
お客様に伝わってこそ、価値を発揮するというところですね。

佐藤
集まって顔を見て話さなければ、出てこなかったアイディアもあります。今後も、チームでお客様に一番いいものを届け、天竜の木材の魅力を伝えていくことが僕らの使命だと思っています。

この記事のまとめ

JAPAN WOOD PROJECTは、サプライチェーンでつながる様々な事業者が参加し、地元での木材産業の活性化を目指している。本記事は想いでバトンを繋いでいくインタビューリレー記事第三弾。今回は、佐藤建具家具店の佐藤さんに取材を行った。JAPAN WOOD PROJECTの参加により、新たなサプライチェーンが生まれ、あるべき姿でお客様に良い商品を届けている。今後も、お客様のニーズに合わせた商品作りを続け、木材の魅力を伝えていくことを目指しています。ぜひ、Japan Wood Projectの展望や未来にご注目いただきたい。




関連記事▶JAPAN WOOD PROJECT 定例会レポート Vol.1|未来の林業体制を見据えて


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