事業活動を通したSDGsに関する取り組みについて考える ~浜松市立高台中学校にて職業講話を実施~

DATE : 2023.12.04
目次
アイジーコンサルティングは、ジュニアアスリート社の活動に賛同し、地元の小学生・中学生・高校生の活動を支援している。 2023年11月7日、ジュニアアスリート社の教育サポート事業の一貫として、浜松市立高台中学校で行われた職業講話イベントへ参加した。その様子をレポートする。
ジュニアアスリート
この記事のPOINT
  • 学校と民間企業のタッグで実現するキャリア教育
  • 事業活動を通して行っているSDGsの取り組みを知る
  • 社員自身が仕事の意義や価値を再定義
この記事に登場する人
深瀬 志帆
アイジーコンサルティング
メンテナンス事業部 
法人営業
愛知県出身。2016年 中途入社。家を見ること人と話すのが好きであり、自己成長したいという想いから、病院の受付を辞め営業職へと転職。法人営業として活躍中。
龍野 有貴
アイジーコンサルティング
建築不動産事業部(アイジースタイルハウス)
新築営業
神奈川県出身。2023年 新卒入社。専門学校で建築を専攻。「住宅会社の中でも家を提供する理由に共感できたこと、長持ちする住宅を作っている」という点に惹かれ入社。新築営業として日々奮闘中。

はじめに ー名刺交換ー

今回職業講話をさせていただいたのは、浜松市立高台中学校・2年生の皆さん。 50分の授業が2回行われ、生徒さんはご自身が選んだ企業の職業講話を聞ける仕組みです。

講話を始める前に、まずは名刺交換を行いました。
生徒さんが手作りの名刺をもって講師の2名にご挨拶。
「●●中学校の▲▲です。」

名刺交換の練習も事前にしてくれていたようで、素晴らしかったです!
職業講話のテーマは「企業によるSDGsの取り組みを知る」です。
職業講話は、次のような順番で進められました。
 
1.会社紹介&自己紹介
2.メンテナンス事業部 SDGsに関する取り組み
3.建築不動産事業部 JAPAN WOOD PROJECT  SDGsに関する取り組み
4.質問コーナー

アイジーコンサルティングってどんな会社?

深瀬 私たちは創業以来120年以上にわたり住宅のメンテナンスに携わってきており、日本で最も古いシロアリの会社です。
創業当時、シロアリによって木造の橋や鉄道の枕木がボロボロになっていた状況をなんとかしなければと、研究を始めたのが会社の始まりです。
つまり、社会課題を解決することで企業としても発展して参りました。
これからも社会課題や環境問題に対して、自ら考え解決しそしてずっと発展していく、そんな企業像を目指しています。

本日は住宅メンテナンス・工務店支援を行うメンテナンス事業部、新築・リフォーム・不動産事業を行う建築不動産事業部(アイジースタイルハウス)についてお話していきます。

黒板には、生徒さんたち手書きのwelcomeメッセージが♬

住宅メンテナンス×SDGs

住宅メンテナンス・家を守るという仕事

深瀬さん 私たちメンテナンス事業部はお家を建てる会社(工務店様)からシロアリの予防工事のお仕事を依頼されています。
家づくりには大工さん、水道屋さん、電気屋さんなど色々な人が関わって一軒のお家を建てています。その中で私たちはシロアリ予防工事を担当しています。
また、シロアリの予防工事を通じてお家に住んでいるご家族の皆様にお家をいい状態に保つことの必要性を伝える仕事をしています。


深瀬さん 皆さんの身近にあり定期的に予防するものといえば日焼け止めがあります。日焼け止めは、日に焼けないように小まめに塗りなおしますよね。家のお手入れも同じです。

シロアリ以外でも家の状態を悪くしてしまうことがあります。
これを放置していると雨漏れが発生したり、カビが発生して健康被害に会ったり、災害が来た時に自分の命を守ってくれるはずのお家が命を脅かす家になってしまいます。
ですので定期的にお家を点検して必要な時期に必要なお手入れをしていくことが大切なのです。
ただ家に住んでいる皆さんは家の専門家では無いので、どんな状態になったらお手入れをしたら良いか知らないことが多いです。そこで私たちやお家を建てた工務店さんがお家を定期的に点検しています。

深瀬さん いま、日本の住宅寿命は30年と言われています。この住宅の寿命が100年になったらどうでしょうか?
Aさんが30代で住宅を購入し、子どもが産まれ、その子供も大きくなって独立。夫婦で老後を過ごし、住宅購入から50年後に寿命を全うしたとします。Aさんが居なくなって誰も住まなくなったら家は傷んでいってしまいますが、まだ家の寿命は50年ありますよね。この空き家を売り、新たにBさんが購入し住み継げば、Bさんは新築を建てるよりも安く住宅を購入することができ、その浮いたお金をお子さんの教育資金や娯楽などに充てられます。

また、家を壊すと廃材が出ます。また、廃材を運ぶのに車を使用しますがガソリンの排気ガスが排出されますよね。家を壊さずに住み続ければ環境にも良いんです。

家を長持ちさせる・家を守ることは、SDGsの何につながる?

深瀬さん では、ここまでの話を聞いて、このメンテナンス事業部の仕事・取り組みは、SDGsの17の項目の何に当てはまるのか、前後左右の人と話あってください。

生徒さん 11番の「住み続けられるまちづくりを」だと思います!

生徒さん 8番の「働きがいも経済成長も」ではないでしょうか!?

生徒さん 14番「海の豊かさを守ろう」「陸の豊かさを守ろう」にも当てはまると思います!

深瀬さん みなさんありがとうございます。すべて正解です!あとは13番「気候変動に具体的な対策を」や12番の「つくる責任、つかう責任」にも当てはまります。

JAPAN WOOD PROJECT × SDGs

建築不動産事業 (アイジースタイルハウス)で取り組む社会課題解決プロジェクト

龍野さん アイジーコンサルティングの建築事業部について話します。
先程同様に私たちの取り組みがどの項目に当てはまるか最後に質問するのでお手元のSDGsの表を見ながら話を聞いてください。

新築の注文住宅を建てる仕事・今ある家をリフォームする仕事と、家を建てたい人に向けて土地を紹介する不動産の仕事をしています。
家を建てる際に長持ちする材料を使ったり、リフォームして家を快適に長持ちさせたり、古くなったマンションをリノベーションして販売したりしています。

龍野さん 本日は、私たちが取り組んでいるSDGsにつながるプロジェクトをご紹介します。
私たちはJAPAN WOOD PROJECTという森林国日本の国産材を活用する取り組みをしています。

日本は、国土の3分の2を森林が占める世界第2位の森林大国です。しかし、日本国内で使用する木材の中で、国内で生産されたものは35%しかありません。このまま放置すれば外国材との価格競争に敗れ、日本国内の森や木を使った産業は崩壊しかねない状況です。私たちは日本の抱えるこの大きな社会課題に対し、建築業だけでなく、林業・森林組合・製材業・木材販売業など木材に関わる全ての業者・組織が一体となって、各段階で困っていることを持ち寄り、全員で解決方法を考えて実行していこうと考えました。そこで、誕生したのが『JAPAN WOOD PROJECT(ジャパン ウッド プロジェクト』です。

具体的には、静岡県浜松市の天竜木材を、柱や梁などの構造材としてだけでなく、端材から家具や階段、建具などのプロダクトを生み出し、一本の木を丸ごと無駄なく活用する取り組みです。
端材は木材チップにされることが多かったのですが、それが手作りのオリジナル家具に変えることで、家具への愛着も増しますし、大事な価値にも生まれます。

龍野さん 近年、大雨災害や台風などが頻繁に発生していますよね。
また、林業が衰退し森林が荒れ果ててしまうとダムの役割を果たしてくれていた森林が機能せず、土砂崩れがおこったり、山から街へ大量の水が流れ洪水が発生してしまう可能性が高まります。

このJAPAN WOOD PROJECTは森林から恵をいただくすべてのサプライチェーンを持続可能にし、日本の森林環境を守る、社会課題解決に繋がる取り組みです。

※「JAPAN WOOD PROJECT」の詳しい取り組みはこちら
https://ig-consulting.co.jp/jwp/

JAPAN WOOD PROJECTはSDGsの何につながる?

龍野さん では、このJAPAN WOOD PROJECTの取り組みは、SDGsのどの項目に充てはまるでしょうか?

生徒さん 12番「つくる責任つかう責任」です!

生徒さん 11番「住み続けられるまちづくりを」、15番「陸の豊かさを守ろう」も当てはまると思います!

そうですね、他にも7番、13番、14番なども当てはまります。ありがとうございます。

今回、弊社の中でメンテナンス事業・建築事業、と2つの事業のSDGsに繋がる取り組み、をご紹介しました。

メンテナンス事業では、今ある資源を大事にする取り組みを、建築事業で行っているJAPAN WOOD PROJECTでは資源を無駄なく使う取り組みを行っています。
皆さんの日常生活の身近な部分でもSDGsに繋がることは多々あると思います。ぜひ意識してみてくださいね。

質問タイム

生徒さん 働くうえで、やりがいを感じることは何ですか?

深瀬さん 私は法人営業として家を建てる工務店さんに商品やサービスを提案・提供しています。私の提案に対して「ちょうど困っていたんだよね」「そのサービスいいね」と言ってもらえた瞬間にやりがいを感じます。工務店さんのお悩みを解決できた時ですね。

龍野さん 私は新築営業としてお客様の家づくりのお手伝いをしています。家は一生に一度の高額な買い物と言われています。はじめて家づくりをするお客様は夢や希望とともに不安も抱えていらっしゃいます。私の案内や説明でその不安を解消し、お客様の笑顔を見れた瞬間は、やりがいを感じます。

生徒さん 仕事をするうえで気を付けていることはありますか?

深瀬さん お客様から「信頼」していただくことが大事なので、言葉遣いや相手の目を見て話すよう心がけています。私たちのサービスを提案する際には、専門用語を使いすぎないように気を付けています。分かりやすい資料を用意したり、より相手に伝わるよう意識しています。

龍野さん お客様の求めていることと、自分の提供する内容がズレないように、はじめにしっかりとお客様のお話を聴くことです。どんな家にしたいのか、どんな悩みや不安を持っているのか。こちらから一方的で独りよがりの提案にならないよう、要望やお考えをしっかりと聴くことを心がけています。

最後に

深瀬さん 普段仕事をしているとついつい、私たちの会社がSDGsに、社会に貢献しているんだというのを忘れてしまいがちだったので、今日、職業講話という時間をいただいて、私たち自身も改めて自分たちの会社の取り組みだったり、良いところを再認識できました。

今日学んだことをこれからも活かしてもらえたら嬉しいなと思います。
本日の職業講話は、以上となります。ありがとうございました。

講話を終えて

職業講話を終えて、講師を務めた感想を深瀬さん・龍野さんに伺いました!

龍野さん 素直に楽しかったです。自分の話がどのように受け入れられたのかは分からないですが、中学生の皆さんが自分の職業や社会に興味を持ってくれて、それがとても嬉しいと感じました。緊張は予想以上にありましたが、それでも皆が聞いてくれる姿勢が嬉しく、素晴らしい一日になりました。ありがとうございました。

深瀬さん 最初は前段階の準備に50分かかるなんて、かなり時間がかかるなと感じていました。しかし、話し始めると、あっという間に時間が過ぎていくんですよね。もっと詳しく説明したいと思う気持ちが湧き上がり、結局50分は短いなと感じました。プレゼン終了後は生徒たちからの質問があり、「中学生のうちにやっておいた方がいいことはありますか?」など、大人びた質問が出てくるのが驚きでした。自分では考えつかないような深い質問に触れ、中学生の皆さんから気づきを得る場面も多々あり、私自身も学びがありました。ありがとうございました。

この記事のまとめ

事業活動とSDGs(持続可能な開発目標)の関係性は、事業が社会的・環境的な側面に配慮し、その影響を最小限に抑え、かつ社会全体の持続可能な発展に貢献することにある。今回、職業講話を通して、自社の事業活動を新ためて見つめなおし、どんな社会課題解決に寄与しているのか、どんな提供価値があるのかを考える良い機会となったようだ。
また普段、お客様とのコミュニケーションが中心になりがちな社員にとって、「中学生への職業講話」は、自分自身の仕事観と向き合う機会となっている。

いま、私たちにできること。これからも事業活動を通じて社会課題の解決に努めたい。

▼職業講話・フィールドスタディに関する記事はこちら
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