「住宅づくりにおけるSDGsの今とこれから」〜浜松市立入野中学校にて職業講話を実施〜

DATE : 2024.11.06
目次
10月16日、アイジーコンサルティングでは、浜松市立入野中学校で「キャリア授業(職業講話)」を開催しました。同授業は、アイジーコンサルティングが賛同しているジュニアアスリート社の教育サポート事業の一環として開いたものです。今回はアイジーコンサルティングが取り組むSDGsの活動を軸に話すことで、学生がSDGsに対する関心を高めることを目的としています。当日は、同学校の2年生がキャリア授業に参加して、興味深く従業員の話を聞いてくれました。
ジュニアアスリートとは?
この記事のPOINT
  • 住宅のメンテナンスが持続的な社会につながる
  • 社会解決型サプライチェーンの「JAPAN WOOD PROJECT」
  • 「誰かじゃなくて自分がやる」の意識を一人ひとりが持つ
この記事に登場する人
岡本克彦
株式会社アイジーコンサルティング メンテナンス事業部 浜松支店 住宅メンテナンス営業
2013年10月入社。中学時代の部活は放送部。この仕事を選んだきっかけは、職種や制度にこだわりなく転職活動をしていた時にアイジーに出会い、その理念や考え方に共感できたから。
中原萌香
株式会社アイジーコンサルティング 総務部 人事課
2022年4月入社。中学校時代の部活はバレーボール部。この仕事を選んだきっかけは、新しく建つ住宅を見ることが好きであり、住宅業界に興味があったから。
西島有紀
株式会社アイジーコンサルティング メンテナンス事業部 浜松支店 法人営業
2024年4月入社。中学校時代の部活はバレーボール部。この仕事を選んだきっかけは、たくさんの人と関わりたいと思ったから。またお家にいるのが好きで、お家の仕事に関わりたいと思ったから。

「つくって壊す」から「今あるものを大切に」へ

岡本さん

入野中学校のみなさん、はじめまして! 今日、私たちはSDGsについての職業講話をするために、株式会社アイジーコンサルティングからやってきました。まず、自己紹介からしていきます。

西島さん

営業職を担当している、西島です。出身は静岡県藤枝市で、中学生時代はバレー部でリベロをしていました。今の仕事に就こうと思ったきっかけは、お家にいることが好きで、お家の仕事に携わりたいと思ったからです。仕事の好きなところは、いろいろな価値観を持った人と関われることと、住宅関係の知識を広げられるところです。じゃあ、中原さん、どうぞ!

中原さん

私は人事として、採用などの担当をしています。出身は東京都の江戸川区です。中学生時代は西島さんと同じくバレーボールをしていました。レフトの担当でした。新しい家が建っていくのを見るのが好きで、この仕事に就きました。仕事の好きなところは、オーナーさまが愛着を持って建てた住宅を維持するためのサポートができるところです。最後は、岡本さんです。どうぞ!

岡本さん

岡本です。普段は家の床下に入って、住まいの点検をしています。出身は大阪府大阪市ですが、関西弁は喋れません。中学時代は放送部でした。今の会社には、理念に共感してすぐに面接を受けました。点検によって家を長持ちさせている実感を得られ、お客さまに感謝していただけることがこの仕事の好きな点です。私には息子が2人いるのですが、長男が中学生でみなさんと同じくらいの歳なので、息子への理解を深めるためにもみなさんと交流できればうれしいです。よろしくお願いします。

生徒さん

(パチパチパチ)

岡本さん

私たちの会社のことを知っている人って、いますか? お、いる! どうしてですか?

生徒さん

インターネットで……!

岡本さん

ありがとうございます、光栄です。アイジーコンサルティングは、創業が1899年。和暦だと明治32年です。私たちは住宅メーカーで、会社の合言葉が「for LONG」。「ずっと」です。つまり、「長持ちする住宅をつくろう」「価値ある未来をつくっていこう」と考えながら、事業を展開しています。私たちは世間にSDGsという言葉が浸透するずっと前から、持続的な社会の実現を目指してきました。今日は、SDGsという視点から、弊社のメンテナンス事業部と新築事業部の取り組みを紹介します。

西島さん

私からはメンテナンス事業部の説明を行います。私たちは日本で一番古くから、シロアリ駆除をしてきた会社です。明治時代、木製の神社の鳥居や電車の線路がボロボロになる被害が多発した時期がありました。そう、シロアリのせいです。それをどうにかしよう、と立ち上げられた会社なんです。社会問題を解決するという意識が、ずっと前から変わらずにあるんです。

生徒さん

(パチパチパチ)

西島さん

ありがとうございます! 日本の住宅の寿命は30年と言われていますが、なぜだか知っていますか? 理由はいくつかありますが、大きなものの一つに、メンテナンスをせずにボロボロになるまで住み続けてしまうからなんです。本来、メンテナンスをしていれば木造住宅は100年持つとされています。そのために、私たちメンテナンス事業部があります。住宅のお医者さんみたいなものですね。

西島さん

家を壊すと、4トントラック5〜10台分の産業廃棄物が出ます。すると、移動時に発生する二酸化炭素の排出の原因にもなります。このように環境を悪くする作業を行わずに、家を長持ちさせることができれば理想的ですよね。こういった取り組みは、SDGsの何番に当てはまると思いますか?

生徒さん

11と12と……15!

生徒さん

9番と13番もじゃない?

西島さん

あはは、そう! 全部正解なんです。今後、世の中はストック型社会になっていくと言われています。これまでは、つくっては壊すの繰り返しでしたが、今あるものをなるべく大事にして資源を大切にする世の中のことです。メンテナンス事業部についての話は、これでおしまいです。

日本建築の未来のためのプロジェクト

中原さん

次に、新築・リフォーム不動産事業について紹介していきます。まず、新築注文住宅というのは、建ててから住宅をお客さまに提供する建て売りとは違って、お客さまのご要望を聞いて、ともに理想の住まいをつくっていく事業になります。そんな私たちは、日本の森林が抱える社会課題の解決に取り組む「JAPAN WOOD PROJECT」というプロジェクトを行っています。日本は国土の3分の2を森林が占めており、木材の資源に恵まれています。今も多くの森林資源がありますが、林業の衰退によって国産の木材の使用率がどんどん減ってきています。じゃあ、ここでクイズです。国産の木材は、今、どのくらい使われているでしょうか。

生徒さん

(ひそひそひそ)

中原さん

正解は40%でした! つまり、60%は海外の木材に頼っているということ。日本の林業ならではの複雑な流通経路と各事業者の連携部不足が、課題の解決に至らない主な原因なのですが、その課題を解決するために、私たちは「JAPAN WOOD PROJECT」を立ち上げました。このプロジェクトは、静岡県天竜の木材を使って住まいと暮らしをつくる活動です。本来なら、成長しすぎた木材で使い勝手があまりよくありません。実際、これまでは上手に活用されてきませんでした。ここでスライドを見てください。

中原さん

木材が住宅になるまでというのは、想像以上に多くの人が関わっています。まずは、林業・森林組合の方達が森から木を切り出していきます。チェーンソーを使って、丸太の状態にしていきます。次に、製材業の方が丸太から建築の材料に使える状態に整えます。その後、乾燥加工業の方が木を乾燥させて、販売業の方が住宅をつくる会社に販売していく、という流れです。こんなにもいろいろな工程があるんだ、と思いますよね。

生徒さん

(こくこく)

中原さん

そして、それぞれの業者さんには抱えている課題があります。木を切っても、なかなか売れない林業。木材の在庫を、さまざまな利用経路のある安価なチップにせざるを得ない製材業の方。手頃な価格の外国産木材ばかりが売れる影響で、在庫を抱えたくない乾燥加工業と木材販売業の方。一方で、アイジーコンサルティングは品質のいい国産木材を使いたい。それぞれの思いと葛藤、課題があるんですね。

生徒さん

(こくこく)

中原さん

そこで私たちがつくったのが「JAPAN WOOD PROJECT」による、社会解決型サプライチェーンです。こうすることで何ができるようになったかと言うと、今までだったら廃棄していた部分の木材も、余すところなく階段の手すりや家具に活用できるようになったんです。

中原さん

さて、私たちのこういった活動は、SDGsの何番に当てはまると思いますか?

生徒さん

12と15! 丸太を無駄にしないことで、自然の豊かさを守れるから?

中原さん

そうですね、正解です! 付け加えるなら、17番も。パートナーシップで目標を達成しようというのが「JAPAN WOOD PROJECT」ならではの取り組みです。何が明確に正解というのはなく、この取り組みがどんなことにつながっていくのかを考えてもらうことに意味があるので、そのきっかけになれれば、うれしいなと思います。

岡本さん

SDGsは、この17個の項目を、2030年までに地球にいる全員で達成させましょうと決めた非常に高い目標です。誰一人取り残すことなく、目標に取り組むが大事です。どこかの国がやればいい、誰かがやればいいではなく、自分がやるんだと。逆に、自分だけがやっていてもダメです。一人ひとりがすることで地球が変わってくるので、今日学んだことを生かして、少しでもSDGsを身近に感じてもらって、世の中の見方が変わり、行動にも影響が出れば幸いです。本日はありがとうございました。

講師として参加した従業員の感想

西島さん

入社して約半年で、職業講話に出られる機会をいただけて、うれしい反面、人前で話すことが苦手ですので非常に緊張しました。半年間、社会人として過ごして思ったのが、中学校生活は限られた環境で考え方が偏ってしまったり、目の前のことに集中してしまったりとなりやすい環境ですので、職業講話を通じて少しでも学校生活、そして将来が楽しくなるようなきっかけづくりができればという思いで参加しました。

実際に参加してみて、中学生がまじめにメモを書いて聞いてくださる姿を目にできたりと、職業講話に参加して良かったと思える内容がたくさんで、自分も学びをたくさん得ることができました。

SDGsは岡本さんが講話の中おっしゃっていたように、地球に住む全員が協力しないと達成できない目標です。現時点では、全員が協力しているとは言えない状態です。今働いている自分たちが積極的にSDGsを達成させるという強い心を持ち、中学生が社会人になる頃には今よりも社会問題が解決している状態になってほしいと講話を通じて思いました。少しでも将来に希望が持てる状態に世の中がなるように、自分はもっと頑張らないとなというモチベーションになりました。

中原さん

最初はSDGsに関わる講話ということで、私自身がSDGsへの理解が浅かったこともあり不安が大きかったです。しかし、準備を進めていくなかで、アイジーコンサルティングがどのような取り組みを行っているのか、それがどのようにSDGsに関わっているかを知ることができ、知識を深めていくことができました。当日、入野中学校のみなさんの前でお話しする時はかなり緊張したのですが、リアクションを取ってくださったり積極的にクイズに参加してくださったりしたことで、こちらも肩の力を抜いて取り組むことができました。大変勉強になる貴重な機会でした、ありがとうございました!

岡本さん

中学生の方へ何かを伝えるという機会は普段ないので、新鮮で刺激的な時間でした。生徒のみなさんは真剣に聞いてくださったので、こちらもついつい熱が入ってしまうほどでした。50分はあっという間で、初めての人に限られた時間で何かを伝えることの難しさがありましたが、どうすればわかりやすいかを反応を見ながら試行錯誤して講話を進めていくことも楽しかったです。また、アイジーコンサルティングは昔から持続可能な取り組みをしてきた企業であると再認識できたのも良かったです。ありがとうございます♪

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